出会いは昨夏の函館だった。松岡の計らいで、入厩したばかりの2歳馬の調教を任された
原田和真騎手(26)=美浦・フリー。その馬こそが、デビューを前にした
プリンスリターンだった。松岡がオーナーと加用師に頼み、新馬戦の手綱を取った原田和。勝利という結果で期待に応えた。
その後は、馬が栗東トレセンに戻ってからも、美浦から駆けつけて調教をつける日々。
ききょうSのV、そして初の平地G1騎乗がかなった
朝日杯FSで5着に奮闘するなど、信頼を得てきた。前走の
アーリントンCは3着に敗れたが、鞍上は「前半競られたし、先行して残ったのはこの馬だけ。力を見せた」と前向きに話す。
全ては相棒とNHKマイルCを制すために-。昨年10月以降は落馬の危険性が高い障害レースの騎乗を休止。さらには、2月末から栗東に滞在して絆を深めてきた。水曜の追い切りでは「直線で沈む感じだったし、前走を使った上積みを感じます。さらに力をつけている」と手応えをつかんだ。
「先生から“馬から学ぶことが多い。ずっと乗ってきたんだから、落ち着いて乗れば、馬が応えてくれる”と言ってもらいました。結果を残して、オーナーや先生に恩返しをしたい」。出走馬18頭の中で唯一、新馬戦からコンビを組み続けてきた。パートナーを信頼して、栄冠を目指す。(デイリースポーツ・井上達也)
提供:デイリースポーツ