1956年に創設された重賞競走で、当初ハンデキャップ戦として施行されていたが、1984年に
京王杯スプリングカップの名称に変更されている。距離や開催時期が幾度か変更され、
安田記念の前哨戦としての位置付けとなってからは、5月に行われるようになった。なお2014年からは1着馬に、
安田記念の優先出走権が付与されている。1400mという距離の特性から、マイル路線に向かう組だけではなく短距離路線の馬たちも名を連ねて、バラエティに富んだメンバーになることが多い。今年は、昨年のこのレースの優勝馬で昨秋には
スプリンターズSを制した
タワーオブロンドンや
マイルCS優勝の
ステルヴィオを含めGI馬4頭のほか、重賞4勝の
ダノンスマッシュなど、楽しみな顔ぶれとなった。
◎は
タワーオブロンドン。前走の
高松宮記念は、重馬場が想像以上に響いての12着だった。昨年の当レースはレコードタイムで優勝しているだけに、条件的にも実績上位。暖かくなり前走よりも状態も間違いなく良化しており、58キロの斤量も特に問題ないだろう。2連覇の期待がかかる。
〇はケイアイノーテック。一昨年の
NHKマイルC優勝後はなかなか結果の出ないレースが続いていたが、前走のダービー卿CTでは後方から運んで最後は脚を伸ばして4着と、ようやくこの馬らしさが出てきた印象。調教の動きからも状態の良さが窺え、得意コースで一発があってもおかしくない。
▲に
ダノンスマッシュ。
高松宮記念ではゲートでやや後手を踏み、出していったところ引っ掛かり気味になってリズムを欠いたのと重馬場が影響しての10着と敗因がはっきりしている。1ハロン延長がカギとなるが、これまでの成績を見てもGII戦なら上位争いは可能。初コンビとなるレーン騎手の手綱さばきにも注目したい。
△は前走の
高松宮記念から1ハロン距離延長がプラスの
ステルヴィオ、追い切りでのフットワークが目を引いた
セイウンコウセイ、左回りが合う
レッドアンシェルの3頭とした。
連覇がかかる
タワーオブロンドンを巡っての戦いとなりそうな京王杯ス
プリングCは、5月16日(土)、15時45分発走。
(文=佐々木祥恵)