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【オークス】“横山DNA”注入されたウインマリリンがデアリングタクトの2冠を阻む/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2020年05月21日(木) 18時00分
 クラシックに限れば、デビューから同じ騎手を鞍上に据える馬が基本的に優位という見方がある。キャリアが浅い若駒同士の戦いで重要なのは、いかに早く課題を見つけ、いかに早く修正するか。その過程においてジョッキーが担う役割は極めて重要だからだ。鞍上・松山弘平を堅守したデアリングタクトレシステンシアを負かした桜花賞は、ある意味で妥当な結末だったのか。

 だからこそ…。ウインマリリン陣営にとって3勝すべてで手綱を取った横山武史の騎乗停止は、大きな痛手だったに違いない。大半の馬が初距離となるオークス(日曜=24日、東京芝2400メートル)は、勝負どころからの脚の使わせ方が重要なポイント。テン乗りでそれを把握し実行し得る騎手も限られるのだから。

「それでも最高のジョッキーが空いてたのは幸運だった」

 管理する手塚貴久調教師のこの言葉は紛れもなく本音だろう。バトンは横山家の三男・武史から父・典弘へ。陣営が勝負を託したのは、鞍上が燃えずにいられない“DNAリレー”であった。くしくも父の騎乗停止で武史が手綱を取った昨年ダービー(リオンリオン)とは逆になったが、現状において馬の把握力、実行力はやはり父が一枚も二枚も上である。

「はたから見ていて“よくあれで走れるな”と思っていたが、実際に動かして速いところへ行ってみて分かったよ。ひと言で言って“いい馬”。武史からもいろんなことを聞いているし、まだ手前を(ちょくちょく)替えたりするなど良くなる余地がありながら、あれだけ走れるんだからね。乗りやすいし、距離に関しては心配ない」

 これは1週前追い切りで初コンタクトを取った横山典弘の弁。癖を伝える前任者が本音でコミュニケーションを取れる間柄とはいえ、実際に乗ってみて理解する個性もあるのだろう。右ヒザの水疱など現状で見た目は冴えないが、メンタルの強さと操縦性の高さはやはり際立っている。

「もし勝てるようなら、オークスはこの馬一頭で勝負してもいいかな」

 これはフローラS前に手塚師が当方にポツリと漏らした言葉。最終的には3頭出しでも、期待の差は言わずもがな。競馬界最強のバトンリレーに、打倒デアリングタクトを期待してみようか。

(美浦の劣性遺伝野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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