日刊紙の競馬記者は、予想だけでなくレースの後に勝ち馬のヒーロー原稿を書くのも大事な仕事。自分が本文を担当した馬はその後も印象に残るもので、最近では
弥生賞の
サトノフラッグがそう。
武豊騎手が「3〜4角を回ってくる感じはお父さん(
ディープインパクト)を思い出しましたね」と、同レースを制した偉大な父との共通点を感慨深そうに語っていた。いつも粋なコメントで記者としては大変ありがたい存在の
武豊騎手だが、本当にうれしそうに話す姿に単なる“リップサービス”ではなさそうだなと感じた。
その
弥生賞が重馬場。すっかり道悪巧者のイメージも付いたが、ここ2カ月で何度も取材した国枝師は「重よりは良馬場で走らせたい」と一貫した
ジャッジ。実際に、未勝利(東京芝2000m)と1勝クラス(中山芝2000m)は良馬場でキレキレの走り。前走の
皐月賞(5着)は、(本当は苦手な)やや重も影響したイメージ。デビューから一貫して2000mを使われ、今年のメンバーのなかでは距離延長にも合いそうだ。良馬場なら反撃がある。
もう1頭挙げるなら
ダーリントンホール。デビュー前から評判は高く、世界のゴドルフィンが擁する当世代でナンバーワンの評価。
共同通信杯の勝ちっぷりを見れば、中山コースよりは明らかに東京向き。
コントレイル(
皐月賞V)、
デアリングタクト(
桜花賞、
オークスV)と、非ノーザンの馬が活躍する今年のクラシックで忘れてはいけない1頭になる。
(文=スポーツニッポン記者・高木翔平)
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