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6・6東京芝千六戦で堀厩舎ブエナベントゥーラVS藤沢和厩舎ショベルヘッド/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2020年05月27日(水) 20時16分
 ダービーウイークはある意味、当コラムの最終回に当たるのだが、振り返れば、昨年6月に現3歳世代で最初に取り上げたのがサリオスだった。

「今回の2400メートルは新たなチャレンジになる。サリオスは大きな馬で、パワフルなタイプ。広い東京は向いていると思う。強い馬(コントレイル)はいるけど、自分でも楽しみにしている」とはレーン。デビュー時からたびたび取り上げてきたサリオスの走りをしっかりと見届けたい。

 その一方で当コラムはひと足先に“次世代”にも目を向けたい。というのも、サリオスの堀厩舎には昨年同様、3回東京開幕週の芝1600メートル新馬戦(6月6日)を目標にしている有力馬がスタンバイしているからだ。それがブエナベントゥーラ(牡=父モーリス)。母は名牝ブエナビスタ、鞍上には昨年のサリオス同様にレーンを予定となれば、期待の大きさは説明するまでもないか。

「4月に入厩してゲート試験に合格してからも、在厩で調整を進めています。まだハミ受けやカッとなる気性面など、2歳馬らしい課題はありますが、そういった面を矯正しつつ、レースに向けて順調にきています」とは森助手。

 普通に考えてサリオスとの比較はまだ時期尚早。それでも、21日の南ウッドでは両サイドに古馬を置いた併せ馬で5ハロン67.2-12.1秒をマーク。順調さはもちろん、攻めの強度、そして動きの良さは、同時期のサリオスに匹敵するレベルと言って間違いない。

 この状況に敏感に反応したのが藤沢和調教師。サリオスが制したくだんの新馬戦に、アブソルティスモをぶつけて1番人気2着に敗れた苦い思いがある。「堀君のところはウッドで(5ハロン)67(秒台)だってな。どうなんだ?」とは藤沢和調教師。

“どうなんだ”と聞かれて、“いいみたいです”と答えるよりほかになかった記者だが、あれだけの名トレーナーがここまで他陣営の動向を気にするのも珍しい。しかもGIのようなビッグレースならともかく、新馬戦でだ。師の個人的心情もあろうが、ブエナベントゥーラの大物ぶりを表すエピソードともなろうか。

 もちろん、藤沢和調教師もただ指をくわえて見ているだけではない。同じ番組にショベルヘッド(牡=父Curlin母Date to Remember)をスタンバイさせており、こちらも鞍上は昨年のアブソルティスモと同じルメールを予定している。

「ウチは速いところは坂路だけど、かなりの量を乗り込んでいるからな。(ブエナベントゥーラの)相手にとって不足はないはず」とニヤリ。

 人気の面ではサリオスVSアブソルティスモの昨年とは逆になることが濃厚だが、こちらはブエナベントゥーラよりも早くに入厩し、ここまでみっちりと乗り込んできた。藤沢和厩舎でデビュー前にこれだけ長い期間、調教をこなして出走を迎える馬は見たことがない。

「(2022年2月末で引退を迎えるため)クラシックは来年が最後。頑張りますよ」と藤沢和調教師。名門厩舎同士が早くも火花を散らす、新たな熱い戦いがもうすぐ見られる。

(立川敬太)

東京スポーツ

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