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アトミックフォース武藤 32年前の父の無念を晴らせるか/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2020年06月11日(木) 18時00分
 アーモンドアイが2着に終わった安田記念から2日後の9日、美浦トレセンで国枝栄調教師が“悪夢の一戦”を振り返った。

「ゲートで前に一度進んで下がった時にスタートを切られてしまった。押して位置を取りに行ったのもあるし、直線入り口でゴチャついたのもあるけど…。今まで見てきて少々のことは大丈夫と思ったし、最後はいつもの脚でくるとも思った。(あの手応えで伸びなかったのは)初めてだな。何も不安なく見えたが、結果的にはそういう(中2週が響いた)ことかな」

 思えば気候も先週から一気に夏モードに突入。「夏は格より調子」という競馬の格言もあるが、今回は明らかにグランアレグリア陣営の仕上げが上だったのだろう。無論、アーモンドアイレベルなら、負ければすべてが“ムダな一戦”。当方もショックのせいかギックリ腰を発症してしまったが、史上初の芝8冠馬誕生へ、秋こそ万全の態勢を期待したい。

 さて、函館開催のスタートとともにトレセンもすっかり夏競馬の雰囲気だが、美浦ではひそかにリベンジを誓う男がもう一人。エプソムC(日曜=14日、東京芝1800メートル)にアトミックフォースを送り出す武藤善則調教師だ。

「以前はエプソムCもハンデ戦で、安田記念の4週後に組まれてたよね。思い出すのは騎手時代の32年前、安田記念9着から挑んだニシノミラーだよ。レースはソウシンホウジュに逃げ切られちゃうんだけど、2着と思った瞬間にとんでもない位置から差してきたのがマティリアル。ミラーはすごく追わせる馬で俺もゴール前はバテバテで…。早く腰を上げたもんだから、もうテキ(佐藤全弘調教師)が怒ってさ。もう悔しさしか残ってない(笑)。ここはそのリベンジマッチかな」

 とはいえ、かつてのジョッキーもトレーナーの立場になれば目線も変わるもの。今回、師が激怒したのは、息子・武藤雅アトミックフォースの手綱を取った昨夏の信濃川特別(7着)だった。

「2番手から行くでもタメるでもない味のない競馬で、ふざけるなと思ってすぐさまクビ宣告よ。それでも調教助手が当時は状態もひと息だったとかばうもんだから。前走・新潟大賞典(2着)は、もうワンチャンス与えた形。2着には負けたけど中身の濃いレースができたし、ここは改めて人馬の真価を問う意味もあるよね」

 当時の父の無念を子が晴らすのか。勝てば関東オークス(ラインカリーナ)以来の重賞父子V。鞍上にとっては、うれしいJRA重賞初制覇になるが、果たして結果は?

(美浦の腰痛野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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