「
エプソムC・G3」(14日、東京)
あの苦い思い出は忘れられない。武藤師がバリバリの現役ジョッキーだった頃、
ニシノミラーとのコンビで臨んだ88年
エプソムC。
ソウシンホウジュの逃げ切りこそ許したものの、勝ち馬に1馬身差まで詰め寄ってゴールした…はずだった。
「“よし2着だ”と思っていたら、離れた外から
マティリアルが追い込んでいたのが見えた。かなり離れていたし、まあ大丈夫だろうと思ったんだけど…」。結果は鼻差の3着。「
ニシノミラーもすごくズブい馬でね。俺もゴール前で早く腰を浮かせちゃった。それで3着。レース後は相当怒られたのを覚えているよ」と当時を語った。
今年は調教師として
アトミックフォースを送り出す。前走の
新潟大賞典で2着。今度こそJRA重賞初制覇を決めたい22歳の長男・雅に「彼も
ステップアップのために、重賞を勝つということにこだわっていると思う。勝負強さを見せてほしい」と期待を寄せる。
父の思いを受けた息子も「デビューしてから、たくさん乗せてもらっている父の管理馬で結果を出したい気持ちは強いです」と気合十分。32年の時を経て、つかみ損ねたタイトルを親子タッグでものにする。
提供:デイリースポーツ