当方の数少ない恋愛経験の中で、髪形を変えたとか、化粧を変えてみたとかいった彼女の変化に全く気づかず、そっぽを向かれたことがあったのだが…。昨年3月にデビューした
亀田温心(以下はーと君)のある“異変”にはすぐに気づいてしまった。
コ
ロナ禍の取材規制の影響で、はーと君に会ったのは3か月ぶり。地元が同じこともあり、ひそかに応援していた19歳の若者は背が伸びていた。当初は当方が老化現象で縮んでしまったのではないかとも考えたが、本人に確認すると「そうなんですよ。ここにきて伸びてきてるんです」
自分が縮んでいなかったことにまずはひと安心した次第だが、
JRAのホームページにある競馬学校卒業時の164.7センチから167センチまで伸びたのだという。顔はおぼこいままだが、全体的にたくましさが出てきたように見える。
普段のトレーニングでも昨年より負荷の強度を上げているそうで、筋力がついたと同時に背、腕が伸びたことで騎乗
バランスも良くなり、追ってからより推進力を加えられるようになったのではないか。昨年よりもゴール前でもうひと押しが利くようになったと感じているのは当方だけではないはずだ。その証明というべきか、先週終了時点で7勝を挙げ、函館リーディングの4位(1位は10勝の横山武)につけ好成績を残している。
今週も東西から騎乗依頼がたくさん集まった中で、はーと君が熱く燃えているのは日曜・函館道新スポーツ杯(2勝クラス、芝1200メートル)の
デルマカトリーナ。昨夏の函館未勝利戦で自身が騎乗した時は10着も、当時は落馬した馬のアオリを受ける不利があった。つまり、言い訳できる敗戦だったのだが、「(北村友に乗り替わった)次走で勝利を挙げた馬なのに、また声をかけていただいた。何とか結果を出したい」。成長した姿を見せられる絶好のチャンスを与えてもらったことに感謝している。
他にも同じく日曜の2歳未勝利戦(ダート1000メートル)に出走する
ジョディーズマロンの初戦2着は勝った馬が強過ぎただけ。自身の走破時計59秒6(不良)は優に新馬Vレベルだっただけに、ここは何とかしたいところだろう。
はーと君は「
ドラゴンボールのようにはいきませんよ」と言っているが、残り2週で大逆転の函館リーディングを獲得して、当方が勝手に広めようとしている愛称“かめは”を全国的なものにしてほしい。
(函館の遠吠え野郎・難波田忠雄)
東京スポーツ