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2度の手術を乗り越えたジョーカナチャンが開花の時/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2020年07月22日(水) 18時01分
 2度の骨折を乗り越えて、初の重賞に挑むジョーカナチャン。それだけでも“苦労人”の5歳牝馬に肩入れしたくなるものだが、担当の高橋勝助手の話を聞いて、さらに応援したい気持ちが強くなってきた。

「普通、手術をするってなったら人間だって嫌なものでしょう。まして2回目となると…。でも、この馬は獣医も褒めるくらいジッと我慢していた。きっと治してもらえるって分かってたんじゃないかな。本当に頭のいい馬ですよ」

 ちなみに、記者は歯医者に行くだけで平常心を失ってしまうくらいの病院嫌い。手術を受けるとなったら確実に卒倒してしまうだろう。それに比べるとジョーカナチャンは…。精神力の強さには、ただただ頭の下がる思いである。

 ネックだった体質の弱さも、その精神力と同じくらい強くなってきた。「昨年まではカイ食いにしても動きにしても、負荷がかかるとヘニャッとなるところがあったんです。だから、ちょっとでも悪かったら使わない。オーナーも先生もこの馬のことを分かってくれて、しっかり待ってくれたんです」

 2度の骨折はいずれもレース中のもの。能力に体が追いついていない状態でも、それ以上に馬が走ってしまう。ゆえに陣営は「絶対に無理をさせない」。そのポリシーのもと、辛抱強く成長を促してきた。

 その我慢がここにきて花を咲かせつつある。「馬がしっかりしてきたことで、今年はここまで3戦コンスタントに使えています。体にも幅が出てきましたし、稽古をつけている(攻め専の)内田さんも“今はすごく状態がいい”と」。心身のバランスがかみ合ってきた今なら重賞でも好勝負の期待が持てる。

 直線競馬は(2・1・0・1)の得意舞台。昨年は3連勝後に骨折が判明し、アイビスSDへの出走がかなわなかっただけに2年越しのチャレンジだ。

「ジョッキー(菱田)も北海道から乗りにきてくれますし、ここに向けて北九州短距離Sで大逃げを打ったり、1200メートルの競馬でも1000メートルを意識しながらずっと乗ってくれています。まずは無事に、が大前提ですけど、いい結果を期待しています」(同助手)

 ここを目標に着々と態勢を整えてきたジョーカナチャン。関係者の思いを力に変えて、新潟の直線を誰よりも速く駆け抜けてもらいたい。

(栗東の馼王野郎・西谷哲生)

東京スポーツ

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