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「これがモーリス産駒?」と思うほど走りが軽いインフィナイト 8・9新潟デビュー/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2020年07月29日(水) 18時00分
 初年度産駒から無敗の2冠牝馬デアリングタクトを出したエピファネイア。見るものを圧倒する、そのパワーはトレセン在籍20年オーバーの記者の独断では「ナンバーワン」。あのスミヨンが制御に四苦八苦しながら、ジャスタウェイに4馬身差を付けて押し切った2014年ジャパンCはその真骨頂だったと思っている。

 実は「純粋な芝馬ではない」との声もあり、デビュー前の調教に騎乗した川田は「ダートのほうが合いそう」と口にしたのだとか。実際、15年のドバイ遠征では芝のレースではなく、ダートのドバイワールドCを選択。結果的には大惨敗を喫したものの、その敗因は「キックバックを嫌がったため」であり、ダート適性に関しては問題なかったはず。いずれはダートの大物も出すのではないかと大いに期待している次第だ。

 一方でエピファネイアの半弟で今年から産駒がデビューしたリオンディーズは先週終了時点ですでにJRA4勝をマーク。「予想以上の健闘」と思われているのかもしれないが、デビュー時から素質の高さを聞かされてきた身としては“いやいや、これくらいは当然でしょう”って感覚。調教に乗っていた岸本助手も「あの馬は乗り味が抜群だったし、スピードもあった。やっぱり血統の裏付けがある馬は違うよ」と。このままの調子で結果を積み上げ、繁殖牝馬のレベルが上がってくれば、さらなる活躍馬を出しても不思議はないだろう。競走馬としてのキャリアは不完全燃焼に終わってしまったが、種牡馬として大輪を咲かせてくれることを願っている。

 逆に大きな期待を背負いながら、なかなか結果を出せないモーリスは評価が少し怪しくなっているが、個人的には「意外な苦戦」との認識は持っていない。モーリス父スクリーンヒーローではなく、祖父グラスワンダーに通じる前駆の発達したパワータイプ。ディープインパクトとは対極の位置にいるタイプであり、本質はパワータイプでも母父スペシャルウィークの要素も持っていたエピファネイアよりも軽さを感じなかった。飛び抜けた能力を持っていた自身は克服したが、その産駒はどうなのか…。

 トレセンに入ってくる前の段階では評判高いのに、実際に動かしてみると「収縮が利かない」との話も耳にするモーリス産駒。だが、先週のウッドで併せ馬を行ったインフィナイト(牝=母モルガナイト・音無)なら、現状を打破できるかもしれない。一緒にスタートし、併入フィニッシュとなった僚馬ダノンハーロック(牡=父ルーラーシップ母ブラマンジェ)と時計的には同じなのだが、その手応えとフットワークの違いは歴然。「これがモーリス産駒?」と思えるほど、走りが軽かったのだ。

「確かにいい動きをしていましたし、走り方もいいですよね。ブラックスピネルの妹になるんですけど、タイプはちょっと違う。パワーで押すような印象もある兄に対し、こちらは軽さもありますから。牝馬に出ているからかもしれませんね」と生野助手。

 17年東京新聞杯を制したブラックスピネルだけでなく、母モルガナイトも祖母タンザナイトも手がけてきた音無厩舎。そこでA評価を与えられたのなら…。デビュー予定は次週(8月9日)の新潟芝外1600メートル(牝)。孝行娘が誕生してくれることを期待したい。

(松浪大樹)

東京スポーツ

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