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ロナ禍により、今年は全国各地の夏祭りが中止に追い込まれたが、こと
JRAでは今夏頻繁に行われている“祭り”がある。名付けて“復活祭”。
CBC賞で約2年5か月ぶりに勝利を挙げた
ラブカンプーに始まり、
函館記念は
アドマイヤジャスタが約1年9か月ぶり、
クイーンSでは
レッドアネモスが約1年2か月ぶりの復活V。いずれも近走が大敗続きで2桁人気の超伏兵だったが、各陣営の諦めない気持ちが呼んだ大激走だったとも言えよう。
さて、今週の日曜札幌メイン・UHB賞(日曜=16日、札幌芝1200メートル、3歳上オープン)でも、ひそかにその“トレンド”に乗ろうとしている馬がいる。昨年のGI
高松宮記念で3着した
ショウナンアンセムである。
「
高松宮記念の次走、
CBC賞は同じ舞台でもあり、当然期待して送り出したんですけどね。大雨であいにくの不良馬場。しかもレース中に脚を痛めてしまい、屈腱炎を発症してしまって…。不運としか言いようがないですが、1年の休養を経てカム
バックしてくれたわけですから。もうひと花、の気持ちは強いです」
こう語るのは担当の稲葉元博助手。とはいえ、復活の道のりは当然険しい。復帰初戦の
CBC賞は16着、続く
福島テレビオープンも11着完敗。“終わった”とする周囲のムキはあるが、こちらも“諦めない気持ち”は負けていない。
「けがをするまでウッドチップで仕上げていた馬が坂路でしかやれないのだから、簡単ではないと思っていました。ただ、
CBC賞は向正面で不利を受けて競馬にならなかったし、2走目の前走は本来の行きっぷりが少し戻ってましたからね。競馬を使いながら徐々に体や気持ちができてきた感はあります。競馬勘さえ戻れば能力は負けていない馬。そろそろという気持ちはあるんです」
7歳にして札幌は初参戦となるが、
クロフネの肌に父は
ジャングルポケット。血統だけ見れば、洋芝は
ドンピシャのはずである。「ナイーブで気持ちが切れると走れない面はありますが、すべてがスムーズなら大きく変わってくれても」との同助手の言葉に乗って、大敗続きの当方も今週こそ“復活祭”といきたい。
(札幌の血祭り野郎・山村隆司)
東京スポーツ