「
関屋記念・G3」(16日、新潟)
新潟の長い直線を豪快に差し切った。4番人気の
サトノアーサーが、メンバー最速の上がりで突き抜け、18年
エプソムC以来、2つ目の重賞タイトルを手にした。昨秋のケガから5月に復帰した戸崎圭にとっても、20年初、そして11年連続となるJRA重賞制覇となった。逃げ粘った
トロワゼトワルが2着、1番人気の
アンドラステは3着に敗れた。
人馬がそろって豪快に復活だ。
サトノアーサーは18年
エプソムC以来、約2年2カ月ぶりとなる勝利。そして、鞍上の戸崎圭にとっても、昨秋の大けがから復帰後、待望の重賞タイトルとなった。
レースはまさかの出遅れで始まった。「誤算でした。ただ、切れる脚を持っていると思ったし、直線も長いので信じて乗りました」と腹をくくった。4角でもほぼ最後方の位置取り。軽快に逃げる
トロワゼトワルは、まだはるか先だ。
最後の直線は、こん身の左ステッキ連打に応えてグングン加速。馬場の真ん中から一頭、一頭丁寧にかわして行く。そして残り50メートルで先頭に躍り出ると、そのまま歓喜のゴールへ飛び込んだ。
19年11月のJBCレディスクラシック(浦和)の落馬で右肘開放骨折の重傷を負った鞍上。2度の手術と苦しいリハビリ。22年のジョッキー生活の中で最も長い休養となった。一方、
サトノアーサーにも脚元を痛めて1年に及ぶ長期休養を経験した過去がある。苦しみを乗り越えた人馬。「よく勝ち切ってくれました。馬に感謝したい」。ようやく、本来の笑顔が戻った。
小倉競馬場で復活の瞬間を見届けた池江師も、「再起は難しいと思い、引退を考えた時もありました。それでもスタッフ、そして馬自身がよく頑張ってくれました。ジョッキーも腹をくくって、しっかり乗ってくれましたね」と喜んだ。
18日に滋賀県のノーザンファームしがらきへ放牧に出る。「(次走は)一週間ほど様子を見てから。ワンターンの千六か千八になるかな」と見通した。夏の越後で鮮やかな復活劇。さあ反撃の秋へ-。もう怖いものは何もない。
提供:デイリースポーツ