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中山義一助手の置き土産フラーズダルム「ユーイチと一緒にGIの夢…」/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2020年08月26日(水) 18時01分
 栗東トレセン通いの人間で中山義一助手(64=松永昌)を知らない人はまずいないだろう。北橋厩舎時代(2006年解散)には福永祐一の兄貴分的な存在としてスポーツ紙で連載コラムを持っていたほか、スキーサーフィン、ボウリング…多彩な趣味でマルチな才能を発揮した男だ。その中山助手が来年1月の定年を待たずして、先週20日に退職した。

 北橋厩舎時代はエイシンプレストンほか数々の名馬に携わり、松永昌厩舎へ移ってからもウインバリアシオンの調教パートナーを担当。当方も絶大なる信頼を寄せた「仕上げ人」には、厩舎の粋な計らいが用意されていた。退職前日の19日に“福永との併せ馬”が実現。これが42年の助手人生の集大成に。

 福永が騎乗したのは新潟2歳S(日曜=30日、新潟芝外1600メートル)に出走予定のフラーズダルム。これを中山助手騎乗のメイショウベンガル(3歳2勝クラス)が絶妙なペースで先導する。最後はフラーズダルムが楽々と2馬身の先着。併せ馬の相手として悔いのない仕上げを施せたことで、中山助手からは自然と笑みがこぼれた。

「(福永)ユーイチは“体の使い方が上手になっている”と褒めてくれたよ。2歳のこの時期だからまだビッシリとはやれていないけどね。跳びが大きくて、すごくセンスがある。それに新馬のころはカイバ食いが悪かった馬が、この中間は480キロ近くまで増えて、すごく良くなっているんだ。ここでいい競馬ができれば来年が楽しみになるね」

 中山助手はフラーズダルムの将来性に確かな手応えを感じている。それもそうだろう。デビュー戦(阪神芝外1600メートル)では4角手前で楽々と先頭に並びかけ、そのまま後続を4馬身突き放す圧勝劇。来春のクラシックが見え隠れする逸材なのは間違いない。

 思い起こせば、ウインバリアシオンはデビュー戦〜弥生賞、そしてラスト2戦でも福永が手綱を取ったものの、このコンビでビッグタイトルを手にすることはなかった。

「ユーイチと一緒にGIを取りたい」

 松永昌厩舎に移ってからも常々、こう口にしてきた中山助手の“置き土産”こそがフラーズダルムなのかも…。この新潟2歳Sで夢が広がるような走りを見せてほしい。いや、見せてくれると当方は信じている。

(栗東の遠吠え野郎・難波田忠雄)

東京スポーツ

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