競馬では終わって初めて気づくことがしばしばある。例えば芝がAコースからCコース(内から3メートル地点に仮柵設置)に替わった先週の札幌開催。メインの
札幌記念=
ノームコアを筆頭に、1番枠の馬が計5勝を挙げる大活躍を見せた。「先週本馬場を歩いてみたら、荒れた内側がすっかりカバーされていた。枠の有利不利は大きかったと思うよ」と某厩舎スタッフは週明けに語ったが、その傾向に早く気づけば大儲けできた!? しかし、当然それは後の祭りだ。
さて今週の札幌のメインはGIII
キーンランドC(日曜=30日、札幌芝1200メートル)。昨年は1番人気
ダノンスマッシュが好位から抜け出しての快勝。2着
タワーオブロンドン、3着
リナーテと、1-3番人気がそのまま上位を占めたが、過去には2015年
ウキヨノカゼ、17年
エポワスなど伏兵陣が台頭したこともある。で、前記の馬場傾向を加味すれば、今年面白いのは
ディメンシオンかもしれない。
ヴィクトリアマイルを取り消し後の2戦は11、9着。着順だけを見るといいところなく敗れたようにも映るが、レースをじっくり見直せば悲観する内容ではない。まずは前走の
中京記念。先行集団を見るように、中団を引っ張り切れない手応えで追走。直線で外に出し、馬の間をうまく抜けてきたが、ゴール前では余力のなくなった馬が壁になってまともに追えずじまいだった。
一方、2走前の
CBC賞は、前が止まらない開幕週の競馬。スタートがひと息で意識的にポジションを取りにいったが、結果的に終始外々を回る形になりラスト失速。それでも前に付けるスピードを見せ、6ハロン戦にも対応できるところは示した。うまくかみ合えば一変の可能性がありそうだ。
状態や札幌コースへの適性について藤原英厩舎・田中博司助手に話を聞くと「札幌に入厩してからも環境の変化に動じることなくきているよ。先週の追い切り(芝5ハロン62.8秒)の感じからも洋芝はこなせるイメージは持っている。中山でも走っている馬だし、小回りの札幌も特に気にはならない。ジョッキーもこの距離にも十分対応できるといっていたし、6ハロン戦でもスピード負けはしないと思っているんだけどね」と強気のコメント。
今週も内ラチ沿いが
ビクトリーロードとなるようなら…2走前の6ハロン戦で位置を取れるスピードをみせた
ディメンシオンに注目する手がありそうだ。
(札幌のマッスル野郎・芝井淳司)
東京スポーツ