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【新潟記念】ブラヴァス陣営から超ポジティブ発言が出ないワケ/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2020年09月04日(金) 18時00分
 競走馬にとってクラシックは一生に一度しか挑戦できないレース。だからこそ、勝利の価値も高いのだが、一生に一度しか走れないレースであるがゆえに「生まれた年が悪かった」なんて状況にも遭遇してしまう。

 2012年の牝馬3冠を席巻したのはジェンティルドンナ。のちにジャパンCを連覇してしまう歴史的名牝の陰に隠れ、3冠戦すべてで2着という残念過ぎる記録を作ってしまったヴィルシーナ(のちにヴィクトリアM連覇)は、まさに前述のフレーズがふさわしい。仮に生まれた年が違っていたら、彼女自身が3冠牝馬になっていた可能性まであった?

 いや、その後に登場した弟のシュヴァルグラン、妹のヴィブロスの成長曲線を振り返ったとき、この血統は明らかな晩成タイプ。それは厩舎サイドも認めていることだ。

ヴィルシーナは3歳春から走ってくれましたが、本当に実が入ってきたのは古馬になってから。3歳秋にグンと良くなったヴィブロスは翌年のドバイターフを勝つほどまでに成長してくれました。当時は“こんなに小さな馬をドバイに連れていくなんて、少しかわいそうな気もするな”なんて思ってもいたんですけどね。シュヴァルグランもいい馬ではあったんですが、それでも当初は“重賞に出られるかどうかのレベルだろう”と。ジャパンCを勝つまでの馬になるとは思いもしませんでした」(安田助手)

 当初のイメージを超える成長を見せたからこそ、GIタイトルを獲得できたわけで、それは珍しく3歳春から活躍したヴィルシーナに関しても基本的には同じ。仮に生まれた年が違っていたとしても、歯がゆい結果の連続で3歳シーズンを終えていた…と考えるのが正解かもしれない。

 新潟記念(6日=新潟芝外2000メートル)に出走するブラヴァスは、そのヴィルシーナの初子にあたる。キャリア11戦で[4・3・1・3]。重賞に挑んだ近2走の内容も悪くはないのだが、実はこの馬に対する超ポジティブなコメントを陣営から聞いたことがない。なぜか? 母のヴィルシーナだけでなく、シュヴァルグランヴィブロスと比較しても成長のスピードがスローだからだ。

 4歳夏を迎えた現在でも「徐々に成長はしてるんですが、まだ走りがバラバラなんですよね。もう少しきれいな走りができれば、もっと効率良く走れると思うんですが…」と安田助手も手放しで褒めることをしない。常に何かしらの課題を口にされてしまうからこそ、こちらも評価を迷ってしまうのだ。

 しかし、そんな状況でも前々走の新潟大賞典が0秒3差4着、前走の七夕賞が0秒2差2着。裏を返せば、持っているポテンシャルは相当と考えることもできる。

「確かにそうかもしれません。現状でこれだけ走れているわけですし、乗っていても奥深さは感じる馬。まだまだな部分が多いので辛口の表現になってしまうんですけど、障害練習を取り入れたことでだいぶしっかりしてきたし、例年よりも荒れている馬場も瞬発力に欠けるブラヴァスにはプラスでしょう。今回も普通に好勝負はできると思っています」(安田助手)

 母や叔父、叔母以上に成長がスローなブラヴァスのGI参戦は来年以降と予測しているが、ハンデGIII程度なら現状でも十分に勝ち負け。これは記者も同様の見解だ。ちなみに「食いが良く、現状では少し余裕残し。追い切りと輸送で絞れてくれば」との注釈をもらっているので、当日のパドックを確認してからの馬券購入をオススメする。

(栗東の本紙野郎・松浪大樹)

東京スポーツ

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