「京成杯ＡＨ・Ｇ３」（１３日、中山）

　愛くるしい名前とは裏腹に、スマイルカナのレーススタイルはとにかくパワフル。先手を奪い、後続のスタミナを削り取ってきた。

　しかし、前走の米子Ｓでは味のある競馬で４勝目を挙げた。ハナを主張したモズダディー、それに続いたランスオブプラーナを行かせて道中は３番手の外め。気分良く競馬を進めると、１０００メートル通過付近で一気に先頭に躍り出た。直線の急坂でも勢いは衰えることなく、セーフティーリードを守って押し切り完遂。高橋祥師は「斤量が軽かったこともあるけどね。すごく良かったと思う」と、引き出しが増えたことを喜んだ。

　前走後は放牧に出され、美浦に帰厩したのは８月末。指揮官は「ひと回り大きくなった。気持ちの面とかは全く変わってないから、ひと息入った感じだね」と目を細める。

　サマーマイルシリーズ制覇が懸かる一戦。「中山自体は重賞を勝っているし合うと思う。あとは古馬と交じってどうなるか」。直線で一気に詰め寄ってくるであろうキャリア豊富な古馬、牡馬。それらをがっちりと受け止めることができれば、マイル界のニューヒロインの座はグッと近づくだろう。

提供：デイリースポーツ