2番
ボンセルヴィーソ、7番
ジャンダルム、8番
シゲルピンクダイヤらが好スタートを切った。これらが先行集団を形成するかに見えたが、大外16番枠から出た
スマイルカナがゲートから1ハロンほどのところで内の馬たちをまとめてかわし、ハナに立った。
スマイルカナが単騎逃げの形に持ち込むのとほぼ同時に、
横山典弘が乗る10番
トロワゼトワルが2番手の位置を確保した。
「馬のリズムを大切にしました。去年とは違って馬がすごくおとなしく、いい感じで大人になっていました。おとなしかったぶん、進み方もこっちが『えっ』と思うぐらいで、行きっぷりがよくないというわけではなかったですが、冷静に走っていました」
昨年の
京成杯オータムハンデキャップもこの馬で制している横山はそう話した。
トロワゼトワルは、逃げる
スマイルカナを2馬身ほど前に見る2番手を進む。仕掛けのタイミングをはかりながら、3、4コーナーへ。ラスト400m地点で横山の手が動き、後続も一気に仕掛けるなか、直線に向いた。
先頭は内埒沿いの
スマイルカナ。
外から
トロワゼトワルが並びかけようとする。が、ハンデ52kgの
スマイルカナは簡単には止まらない。
ラスト200mを切っても、まだ
スマイルカナが先頭だ。首ほど遅れた外の2番手が
トロワゼトワル。
さらに外から
ボンセルヴィーソが伸びてくる。
トロワゼトワルは、外から来る
ボンセルヴィーソの勢いも生かすように末脚を伸ばし、内で粘る
スマイルカナと鼻面を揃えてゴールを駆け抜けた。
僅かに鼻差だけ、
トロワゼトワルが前に出ていた。
トロワゼトワルは、このレースを連覇したと同時に、サマーマイルシリーズの優勝を確定させた。鞍上の横山にとってもこのレースは連覇で、通算では6勝目。
「2番手はちょうどよかったです。最後はよく踏ん張ってくれました」と横山。
昨年は1分30秒3のコースレコードで逃げ切り、今年は1分33秒9と、3秒6も遅い決着になりながら、2番手から逃げ馬をきっちり差し切った。
騎乗馬とコースを知り尽くしたベテランが、パートナーのさらなる強さを引き出した。
(文:島田明宏)