日曜(27日)中京メインは
コントレイルで断然ムードのGII
神戸新聞杯(芝2200メートル=3着までに10・25
菊花賞優先出走権)。万全の態勢で秋初戦に臨む無敗の2冠馬に対し、同じく“無敗”の◎
グランデマーレで敢然と挑戦状を叩きつけたのは新VU作戦の明石尚典記者。先の
セントライト記念◎○△(3連単1万2600円)に続き
菊花賞トライアル完全的中を狙う。
今年に入って単勝1倍台の支持を集めたのは531頭。そのうち見事にVゴールを決めたのが234頭。この勝率44.1%をどうみるかは評価の分かれるところだろうが、少なくとも半数以上が期待に応えられていないのは紛れもない事実だ。
「競馬に絶対はない」
この使い古されたフレーズがくしくも数字で証明されたとみるのは当欄がひねくれ者ゆえか。
神戸新聞杯の
コントレイルもおそらく単勝オッズは1倍台。無敗ロードをひた走る2冠馬といえども、Vゴールの確率は高く見積もっても50%。そう考えれば、あえて逆らってみる価値は大いにある。そんな決断も決して無謀とは言えまい。
紫苑S=
マルターズディオサ、
ローズS=
リアアメリアと
オークス組が快勝した
秋華賞トライアル。一方、
菊花賞トライアルの
セントライト記念は春のクラシックに間に合わなかった
バビットがダービー組を蹴散らした。牝馬路線よりも“岩盤規制”の緩い牡馬路線。3歳世代の現状をこう把握するのなら新興勢力台頭の余地は大いにある。
食指が動くのはキャリア2戦ながらも、大器の香りを漂わせる
グランデマーレ。新馬勝ちを決めた京都9ハロンがラップ3分割37秒0→38秒5→34秒2のスロー。展開の後押しがあったとはいえ、ラスト2ハロン22秒4(10秒9→11秒5)を叩き出して、のっけから非凡な瞬発力をアピールした。
2戦目の
葉牡丹賞は一転、前後4ハロン47秒7→47秒7のイーブン。よどみのないラップを刻んで、8ハロン通過が翌週の2勝クラスのVタイム1分34秒3に迫る1分34秒4。紛れの入り込む可能性が低いハイレ
ベルラップで、同じ条件の
ホープフルSの
コントレイル(1分24秒9)を大きく上回る自身後半7ハロン1分23秒2を叩き出した。
開催初日と最終日の馬場差を考慮する必要があるとはいえ、
ホープフルSの8ハロン通過は同日の2勝クラスのVタイム(1分36秒0)より1秒0遅い1分37秒0。見方によっては
グランデマーレに軍配が上がるとするのは、あながち的外れな見方ではないはずだ。少なくとも、残した数字のインパクトは無敗の2冠馬に負けず劣らず。順調なら春2冠での最大のラ
イバルとなっていたとの確信を持っている。
骨折による長期休養明けに初距離&初コース。条件は確かに厳しいが、それを補って余りあるスケールの大きさを感じさせる。勝負付けの済んだ春のクラシック組よりも、打倒
コントレイルの可能性を感じさせてくれる未知の強豪。今回は
グランデマーレの激走に一票を投じてみる。
(明石尚典)
東京スポーツ