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【勝負の分かれ目 神戸新聞杯】福永騎手の冷静な騎乗で、無敗の三冠獲得へさらに前進

  • 2020年09月27日(日) 18時30分
 圧倒的1番人気に支持された福永祐一コントレイルは2番枠から速いスタートを切った。そのままゲートを出たなりで進み、周囲の馬たちを行かせて、中団馬群のなかで折り合いをつけた。福永はこう振り返る。

「戦前からちょっと難しいレースになると思っていました。内枠が当たったということで、進路を上手く見つけて、ストレスなく走らせることが今日の課題だったのですが、やはり難しいレースになりました」

 先頭との差は6馬身ほど。馬1頭分ほど内をあけて1、2コーナーを回り、向正面に入って行く。さらにもう1頭分ほど外に出したが、外側を他馬に塞がれ、それ以上外に出ることのないまま3コーナーに進入して行く。

「本当はもっと早くに進路を確保したいところではあったのですが、内枠ということもあって、流れのなかで進路を探しながらでしたけど、慌てないということだけは肝に銘じて乗っていました」と福永。

 4コーナーを回り、直線に入ってもまだコントレイルは馬群のなかにいた。それでも福永は落ちついていた。

「手応えもありましたし、瞬時に反応できる馬ですから、慌てず直線に向くことができたと思います」

 ラスト400mを切ったところで、前のグランデマーレディープボンドとの間に僅かな隙間ができた。ちょうどグランデマーレが失速しはじめていたときだったこともあり、コントレイルは持ったままで2頭の間を割り、先頭に躍り出た。

 そこからは独壇場だった。ラスト200mを切るとさらに末脚を伸ばし、最後は流すようにして2着を2馬身突き放した。

「休み明けとはいえ、落とすわけにはいかない状況のなかで、余力を持って勝つことができたのが何よりでした。強いコントレイルをお見せすることができてよかったです」

 そう話した福永の冷静な騎乗により、戦績を6戦6勝とした。史上3頭目の無敗の三冠馬の誕生が、ますます現実味を帯びてきた。

(文:島田明宏)

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