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【毎日王冠】藤沢和調教師が出したコントラチェックへの"宿題"/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2020年10月09日(金) 18時00分
 秋のGIシリーズ開幕戦・スプリンターズSが行われた先週は、グランアレグリアに翻弄された1週間であった。結果は周知の通りの圧勝劇。安田記念アーモンドアイを破った実力を改めて世間に知らしめることとなった。

 戦前のグランアレグリアの懸案材料は、ディープインパクト産駒にGI制覇例のなかった芝1200メートルという舞台設定。さらに個人的には状態面、すなわちフィジカルに疑念を抱きたくなる面もあった。

 藤沢和厩舎は毎週火曜に入厩各馬の計量を行い、大仲(厩舎スタッフの待機所)のホワイトボードにその数字が記されているのだが、グランアレグリアはレースの1週前、当該週ともに506キロ(安田記念比14キロ増)。そして藤沢和調教師は1週前の取材で「ずいぶんと穏やかになって、馬体が大きくなった。馬体重がかなり増えているから絞っていきたい。3歳春まではあまりカイバを食べなかったけど、今はよく食べるんだ。まあ、年齢的なものだから仕方がないんだけど…」とコメント。馬体を絞るのに苦労していることが言葉の端々からうかがえた。

 実際、1週前追い切りの反応が少々鈍かったように見えたし、ルメールを背に併せ馬を行った最終追い切りも、デビュー時からグランアレグリアの調教を見ている身としてはまだ物足りず…。

 極め付きはレース前日に坂路で4ハロン54.5-12.9秒をマーク。馬体を絞る、あるいは気持ちを乗せるため、意欲的な前日追いが日常的だったひと昔前ならともかく、昨今はこんな時計を出すことなどまずない。そんな封じ手を使ってまでシェイプアップに努めたグランアレグリアだったが、火曜から2キロしか変わらない504キロでレースを迎えてしまっては…。

 以上が担当する最有力馬に◎を打てなかった言い訳である。疑ってかかったフィジカルの事案はすべてグランアレグリアの身体的、精神的成長であり、何より能力が違った。予想センスのなさもそうだが、読者のお役に立てなかったことも猛省したい次第である。

 さて、例年の傾向とはいえ、4回中山開催にはトータル11頭しか出走させなかった藤沢和厩舎が、開催替わりの東京開幕週には7頭がスタンバイ。シルバースピリットアルマドラードの良血新馬2騎は確勝級だと思っているし、キングストンボーイ(サウジアラビアRC)、レッチェバロック(2勝クラス平場)あたりも重い印がつく有力馬である。

 一方、毎日王冠(日曜=11日、東京芝1800メートル=1着馬に天皇賞・秋優先出走権)のコントラチェックはここ3走2桁着順が続いているとなると苦戦必至? いやいや、次週に府中牝馬Sがありながら、ここを選択した藤沢和調教師の真意は、天皇賞・秋への参戦を前提に、逆算したローテ上の優位性を重視したようにも感じられる。

「一流の馬なら、逃げの戦法しかできないようではダメ。レースの流れに合わせた競馬ができてこそだろ」

 過去4勝がすべて逃げ切りのコントラチェックに、トレーナーはそう注文を付けた。近走も逃げに徹しているトーラスジェミニがいる今回は差しに回るのか、それとも久々に逃げを打つための煙幕にすぎないのか…。今週末も予想と邪推のはざまで、もがくことになりそうだ。

(美浦のイレブン野郎・立川敬太)

東京スポーツ

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