かつては春は京都、秋は東京の3200mの勝抜制で実施され、古馬たちの最高峰のレースとして行われてきた。1981年からは過去の優勝馬も出走できるように変更された。
さらに1984年には東京で開催される秋を2000mに距離を短縮され、1987年には3歳馬も出走可能となった。それによって3000mの
菊花賞には進まず
天皇賞(秋)を選択するケースも増えている。また秋の中距離王決定戦として位置づけられるようになった。
第162回を迎える今年は、芝GI最多勝8勝がかかる
アーモンドアイ、天皇賞春・秋連覇を目指す
フィエールマンらGI馬7頭を含めて12頭の豪華メンバーで争われる。
◎は
アーモンドアイ。
前走の
安田記念は
ヴィクトリアマイルから中2週で臨んで2着。
ルメール騎手も、レース間隔が詰まっていたことで少し疲れがあったかもしれないとコメントしていた。正直全盛期よりは少し落ちるかもしれないが、レース振りを見ると2000mが1番合っている印象があるし、普通に走れば持っているポテンシャルの違いで芝GI8勝達成の可能性は大きいとみた。
○に
フィエールマン。
長距離馬の印象が強いが、
菊花賞を勝つまでは1800mしか走っておらず、昨年の
札幌記念(3着)で手綱を取った
ルメール騎手も、東京なら2000mも大丈夫とレース後話をしていたとのことで、当然2000mも問題ない。状態は重めだった
天皇賞(春)よりむしろ良いようで、熱発で
オールカマー回避の影響は全く心配ない。ここは春秋連覇の期待がかかる。
▲は
クロノジェネシス。
2、3歳前半は、同世代牝馬の中で常に好勝負しながら勝ちきれないでいたが、昨年秋の
秋華賞、年が明けて
京都記念1着、
大阪杯2着、
宝塚記念優勝と、昨年秋からの充実振りには目を見張るものがある。ここも当然上位争いは必至で、
アーモンドアイとの牝馬対決にも注目したい。
△は2頭。
キセキはスタートで後手を踏むことが多いが、ここ2走はそれでも2着と好走しているように、能力は高い。
ダノンキングリーは、GIになかなか手が届かないが、良馬場なら好勝負になるはずだ。
アーモンドアイの芝GI8勝の記録を達成するのか。それとも他馬の逆転があるのか。注目の
天皇賞(秋)は、11月1日(日)、15時40分発走だ。
(文:佐々木祥恵)