秋華賞のデアリングタクト、菊花賞のコントレイル、天皇賞(秋)のアーモンドアイと、今年の秋のGI戦線では単勝1倍台の人気を集める大本命馬が強い内容で勝つレースが続いています。

　3日、大井競馬場で行われるJBCクラシック(JpnI)もその流れをくみ、国内無敗のクリソベリルが優勝できるのか、が気になります。

　大井競馬場への輸送を終えたクリソベリルの様子を担当の濱田助手に電話取材したところ、

「すっかり慣れていて、落ちついていますね」とのこと。

「もともと落ち着いている馬だけれど、時間の経過とともに落ちつきの度合いも増してきています。

　最近の坂路は馬場が重いですけど、その馬場であれだけしっかり調教できています。状態はいいですね」

　確かに。3歳時の写真を振り返って見ていたのですがどれもクールなかんじなんです。“はしゃぐ”という言葉はクリソベリルと対極にあるのかも、と思わせるほどです。

　音無厩舎にはクリソベリルの属する血族がたくさんいますが、その中には先月末障害転向初戦のレースで亡くなったブラックスピネルもいました。濱田助手自身も今年、ブラックスピネルを世話した時期もありました。

「今年、中東から戻ったあと、しばらく担当させてもらいました。クリソベリルにとってブラックスピネルは従妹甥にあたりますね。ああいった事故は胸が痛みます…。ブラックスピネルが今日のクリソベリルを後押ししてくれているんじゃないかな、と思います」

　クリソベリルがまず無事に、そして強い競馬を披露してくれますように。

(取材・文：花岡貴子)