1996年に、当時の阪神3歳牝馬S(現在の阪神JF)への前哨戦として新設された2歳牝馬限定の重賞競走で、過去24回はすべて京都競馬場の芝1400mで行われてきた。今回は、京都競馬場の改修工事のため初めて阪神競馬場で行われることになったが、傾向としては大きな変更はないと思われる。むしろ、阪神JFとの関連性は強まるのではないかと思っている。ただし、キャリアの浅い2歳馬の、牝馬限定競走。初めて阪神コースを経験する馬も多く難解であることには違いない。
過去10年間で3着以内30頭中、前走1着馬は17頭。新馬、未勝利勝ち上がってきた馬が6勝2着3回3着4回。過去10年でいえば、優勝馬は前走1着もしくは重賞を使っていた馬に限られている。
1〜3番人気は3勝2着3回3着6回。1番人気馬は2勝2着2回3着3回と苦戦傾向にある。
りんどう賞で鮮やかな追い込みを決めた◎
サルビアは
新潟2歳S2着
アンブロークンの半妹。半兄は1年近い休養で競走能力をそがれてしまったような印象だが、
母リップスポイズンは独1000ギニー優勝馬で、母の父マムールは英国でデビューし独ダービー5着、英セントレジャー4着、欧州の長距離重賞ヨークシャーCに勝ち、のちにドイツのG1を2勝という血統のスタミナ型牝馬で、成長力を秘めているはず。本馬も、
ダイワメジャー産駒に多いスピード優先型ではなく、追って味があるタイプとなった。
小倉2歳Sで豪快な追い込みを決めた○
メイケイエールの祖母は
ユキチャン。
札幌2歳S、
アルテミスSを連勝している
ソダシの
母ブチコの半姉という活力あふれるファミリーだ。
JRA賞最優秀短距離馬ミッキーアイルの初年度産駒で、母の父は
ハービンジャー。
サンデーサイレンス3×4に加えて、
デインヒル4×4のクロスを併せ持っている。本質的には優れたマイラータイプになりそうだが、現状はかなり前向きな気性なので200mの距離延長がポイントになりそうだ。
不敗でここまで勝ち進んできた▲
ヨカヨカはここが試金石。前走は九州産限定競走だったが、新馬戦で破った相手が京王杯で人気の一角となるだろう
モントライゼなので軽視はできない。ただし、200mの距離延長は決してプラスではないかもしれない。
人気が急落しそうな△
モンファボリはフランケル直仔。小柄な馬だが、母の
フォエヴァーダーリングはサンタ
アニタオークス4着という活躍牝馬で、祖母の
ダーリングマイダーリンは
ゼンノロブロイらの半姉。あまりに強かったデビュー戦と、
函館2歳Sのレース内容に差がありすぎて迷うところだが、巻き返して不思議ない血統的背景の持ち主だ。開幕週の馬場ということも考慮にいれて、もう1度期待してみたい。
△
メイショウイチヒメは「メイ
ショウ」夢の配合馬。
父メイショウボーラーは言うに及ばず、
母メイショウマンボも2歳新馬戦に勝ち、
フィリーズレビューに勝つなど早い時期から活躍した馬だった。デビュー戦を見る限り、父親のスピードを受け継いだだけではなさそうで、将来が楽しみな1頭だ。距離延長はむしろプラスと判断したい。
△
フリードは小倉のレコードホルダー。2歳Sは重馬場に持ち味を殺されてしまったようだが、良馬場なら見直しが必要か。