今開催は秋の川崎競馬名物、2日連続の牝馬重賞ウイーク。10日の2歳牝馬重賞・
ローレル賞・SIIに続き、11日に行われるのは
ロジータ記念・SIだ。南関東で行われる3歳牝馬最後の重賞で、31回目となる今年は14頭(南関東12頭、他地区2頭)によって争われる。川崎が生んだ伝説の名牝・
ロジータの名を冠したレースとあって、優勝馬には
クラーベセクレタや
ララベルといった実力派が名を連ねている。
例年、南関牝馬クラシックの活躍馬と、夏を越して力をつけた上がり馬が激突。傾向としては内枠の先行勢力の活躍が目立つ。また、優勝が6番人気の
グランモナハート、2着が5番人気・
リトミックグルーヴ、3着が1番人気・
ケイティマドンナで3連単は10万9710円だった昨年のように、やや固めに決まることが多いが、08年のように2着に10番人気の
クリノソーニャが飛び込み、3連単77,460円が出たこともある。
3歳牝馬にとって過酷な2100mの長丁場だけに、やはり重視されるのは距離経験。そこで、
関東オークス・交流GIIの2着馬、
アクアリーブルを本命に推す。同レースに加え、
桜花賞・SI、
東京プリンセス賞・SIの南関牝馬クラシック2冠を制しており、同世代の中では抜けた存在。秋始動戦の前走、
サルビアCこそ3着に敗れたが、16kg増の496kgと大きく体が成長してパワーアップ。手綱をとった矢野貴騎手は「重め感はなかった。他馬の後ろで我慢させたり、道中で砂を被っても大丈夫だった」と収穫が多かったとし、敗因は「久々と、(メンバートップの)斤量56kgが影響したかも」と分析していた。今回は全頭54kgと同斤量。叩いての上積みもあり、逆転が狙える。
相手は半姉に
戸塚記念・SIIなどを制した
ナターレがいる良血、
ルイドフィーネ。前走の
戸塚記念は4着も、勝ち馬とは0秒4差。牡馬を相手に互角の勝負を展開した。今回は牝馬同士なのに加え、鞍上は南関リーディングトップの
森泰斗騎手。同騎手は16、17年とこのレースを連覇。13年は2着、12、19年は3着とこのレースとは相性がいい。この馬自身、2100mをすでに2回経験しているのも心強い。
また、
ヒキュウにも注目。春の重賞戦線には参加していないが、休み明けの前走の
トライアル・
サルビアCをV。11番人気の低評価を覆し、ここへの切符を手に入れた。この時の鞍上(今回は柴田大)
笹川翼騎手は「重賞はペースが違うが、自分の競馬をすればやれるポテンシャルはある」と評価。馬体も16kg増の472kgとひとまわり以上の成長していたうえに、半姉の
アッキーは長距離を得意としているのも心強い。
さらに、休み明け2戦は川崎に的を絞って参戦してきた
ミリミリ、距離克服はカギだが同世代屈指の快足馬・
アンジュエトワールなども目が離せない存在だ。
(文=スポーツ報知記者・志賀浩子)