ジョギングを始めたら1か月もたたないうちに腰を痛めた。健康のためにしたことで体を損ねては、もはや何のためにやっているのか分からない。慣れないことはするもんじゃないなと反省しつつ、週1で整骨院に通う今日このごろである。
左第1指骨の剥離骨折により6か月半の長期休養明けとなる
レシステンシア。おじさん記者とサラブレッドを一緒にするのは失礼な話かもしれないが、ケガからの復帰戦はどうやったって慎重になるもの。その気持ちが今は痛いほど分かる。ゆえに、今回は割り引きが必要と考えていたのだが、厩舎の番頭・河北助手から聞こえてきたのは意外な言葉だった。
「これだけ順調にきたのは初めてなんじゃないかな」
振り返れば、
桜花賞2着時は帰厩して1本目の時計(坂路4ハロン51.7秒)が速くなったことで、その後の調整が少々難しくなった印象も。続く
NHKマイルC2着にしても、中3週で初めての関東への輸送。そのあたりを考慮して状態の維持に重点を置いた調整で臨んだが、それでも輸送前に500キロ前後あった馬体は当日476キロまで減っていた。
もともと、
レシステンシアは牝馬らしい繊細な面をのぞかせていた馬。しかし、能力があるがゆえに、稽古では時計が出てしまう。そのあたりの
バランスが微妙に取れず、春のGIではタイトルを逃してしまったのかもしれない。
「この馬はとにかくパワーがすごくて、跳びも大きい。だから稽古でも感覚以上に時計が速くなりやすいんだ。でも、この中間は(坂路4ハロン)53.1、50.3、51.9秒とうまくコントロールの利いた中で、いい時計が出ている」(河北助手)
馬体は今現在、510キロくらいまで増えているそうだが、それでこれだけ動けているのだから、ほとんどが成長分とみていいのだろう。
「正直、直線が平坦の京都のほうがより合うとは思うが、この舞台でGIを勝っている馬だからね。今の阪神は時計も速いし、この馬のスピードを生かした競馬ができれば面白いと思うよ」
阪神JFのV時計は
サリオスが制した翌週の
朝日杯FSより0秒3も速かった。骨折明けの不安はなく、仕上がり万全となれば…。3歳馬で最も注目すべきは、この
レシステンシアなのかもしれない。
(栗東の馼王野郎・西谷哲生)
東京スポーツ