交流GIIの「第41回
浦和記念」(浦和2000m)。今年は
JRAから5頭、南関東から4頭、ホッカイドウ競馬から2頭の11頭が出走。レース攻略のポイントを2009年から過去10年間のデータから探る。
10年間で
JRA勢が7勝、2着6回、3着7回。南関馬が3勝、2着4回、3着3回という成績。ちなみに、GIIの
日本テレビ盃は
JRA勢9勝、2着10回、3着7回。南関馬が1勝、3着3回。秋冬のダート戦線の初戦と位置付けられる後者と比べて、JBCと
チャンピオンズCのあいだに行われ、GI馬があまり出走しない
浦和記念は地方馬にも付け入る隙があるといえる。
馬券的な傾向としては、リピーターが多いことが挙げられる。過去10年で2回以上馬券に絡んだのは
ボランタス、
シビルウォー、
ランフォルセ、
エーシンモアオバー、
サミットストーン、
ハッピースプリント、
クリソライト、
ケイティブレイブ、
オールブラッシュの9頭。1周1200mという小回りコースで、直線も220mと南関最短だけに、より高いコース適性が求められるのがリピーターが多い要因のひとつといえる。(ちなみに、地方では広いほうである船橋は1周1400m、直線308m。大井外回りは1周1600m、直線386m)。
また、小回りということで勝ち馬の位置取りにも顕著な傾向がある。4角通過順を見ると6頭が先頭。2頭が2番手。残り2頭が4、5番手となっている。2着馬も近5年で4頭が2番手、1頭が先頭と、もともとほとんどが先行有利の地方ダートのなかでも、浦和はこの傾向が強い。
前走では3着内15頭中、9頭が
JBCクラシック組で最多。
白山大賞典組が8頭で続く。前者はGIなので着順はそれほど気にしなくていいが、後者は1頭を除き、7頭が3着以内だった。地方馬で3着以内に入った馬の前走は
JBCクラシック、マイルGP、JDD、
日本テレビ盃、
埼玉新聞栄冠賞、
東京記念だった。
ひとつ面白いのは、枠順の成績。4枠以外はまんべんなく勝利しているが、6枠が4勝、2着3回、3着2回とほぼ
パーフェクトに馬券に絡んでいる。2、3着では内で窮屈にならないぶん、4枠から外が強い。
これらのデータから今年の出走馬を見ると、
JRA勢では
デルマルーヴルと
ダノンファラオ、地方馬では
タービランスが候補に挙がる。リピーターは、今年は
デルマルーヴル1頭のみ。同馬は昨年は4着だったが、鞍上が浦和に不慣れなマーフィー騎手だったことを考えれば、今年は戸崎騎手というのも心強い。
また、その年の
埼玉新聞栄冠賞の勝ち馬が
浦和記念に参戦したのは過去10年で3頭で、それぞれ5、1、4着の成績となっており、地方馬ではやはり今年の
埼玉新聞栄冠賞を制した
タービランスが最有力といえる。
(文=スポーツニッポン・秋田麻由子)