今週は「中京2200m」で
日経新春杯が行われます。このレースについて、馬体的見地を中心に分析していきたいと思います。まず、このコースからすぐに思い浮かぶのが「逃げの有利さ」です。例えば、外伸びの馬場になっているときでも前への警戒が薄く、人気薄の逃げ馬が逃げ残っている印象を受けます。実際にデータを調べてみても、逃げ馬の回収率が突出しています。
先週の馬場傾向を見ると、内がしっかりと伸びています。ですから、今回はとくに脚質的に逃げ馬というのは必ず考えておかなくてはなりません。また、パワーやスタミナといった要素が求められる馬場状態でした。寿Sで
メイショウサムソン産駒の
ツーエムアロンソが、単勝114倍という人気薄で穴をあけたのがその典型です。切れる脚がなくても、前目に付けてスタミナで押し切れるようなタイプがここでは理想でしょう。前述した点を踏まえながら、各馬を考察していきましょう。
まず、上位人気が濃厚な
アドマイヤビルゴですが、ひと目見て素晴らしい馬体になってきました。
ディープインパクト産駒にしてはツナギの角度が深めで、上体の締まりの良い筋肉の性能をフルに発揮できるのはこのツナギのおかげでしょう。上体も素晴らしく、皮膚の薄さが目に付きますし、肩の角度も理想的。トモの肉付きも良くなっていますし、まさに無駄なくキッチリと仕上がっています。馬場的にはベストとはいえませんが、こなせる範囲といえるでしょう。
ヴェロックスは、トモの厚みが目に付きました。仕上げとしてはやや余裕がありそうですが、走れるだけのデキにはあると思います。パワーがあるので、馬場はこなせそうです。
続いて、
サトノインプレッサ。腹回りがボテっとして見えますが、トモや肩回りを見ると仕上がっていますし、これは体型といえるでしょう。いろいろな条件を使われていますが、体型的にはこれくらいの距離が合うと思います。皮膚を薄く見せて、筋肉の張りも上々。立ち姿も力強さがあって、良いデキだと思います。馬場は合うとはいえませんが、こなせる範疇でしょう。
サンレイポケットは、
ジャングルポケット産駒で母父が
ワイルドラッシュ。字面的に今の馬場はピッタリでしょう。前のツナギはやや立ち気味で、飛節も直飛節気味。筋肉量は程良く、筋肉の質も今の馬場に合っているでしょう。仕上がりも良さそうで、ここは好走が期待できそうです。
最後に
ダイワキャグニー。筋肉量が豊富で、7歳のセン馬とは思えない見栄えの良さです。ツナギが極端に深く、飛節も曲飛気味。トモの筋肉量とハリが非常に目立ちます。骨も太めでパワータイプなので、今の馬場も合っています。脚質的にも同型との兼ね合いだけでしょうが、逃げてしまえばチャンスは十分で、最も適性が高いと思います。
結論としては、
ダイワキャグニーがこのレースに一番合っているように見えます。ほかでは
レイホーロマンスあたりも面白そうです。ハンデや枠順、今週の馬場といった要素を加味して、結論は
ウマい馬券で公開したいと思います。
(文=古澤秀和)