スマートセラヴィー、
メイショウテンスイ、
サクセスエナジーの3頭が競り合うようにして、前半3ハロン34秒4、4ハロン46秒3という淀みのない流れをつくった。
川田将雅が乗る1番人気の
レッドルゼルも速いスタートを切ったが、自分のリズムで走りながら他馬を先に行かせ、中団のやや後ろにつけて3コーナーに差しかかった。
「次は1600mなので、1400mのなかでも次につながる競馬をイメージして乗りました」と川田。
同じく本番の
フェブラリーステークスを見据えている
クリストフ・ルメールの
タイムフライヤーは、その1、2馬身前のやや外で脚を溜めている。
4コーナーを回りながら、
レッドルゼルは
タイムフライヤーの真後ろにつけた。
直線に入り、ラスト400m付近で
タイムフライヤーの前が開いた。
川田の
レッドルゼルは、その外に出るかと思いきや、外から伸びてきた
サブノジュニアに蓋をされる格好になった。そのため一度は内に進路を切り替えたが、ラスト200m付近で
タイムフライヤーが抜け出してスペースができると、再び外に持ち出してスパート。大外から追い込んできた
ワンダーリーデルとともに末脚を伸ばし、ラスト5完歩ほどのところで内の
タイムフライヤーをかわし、外の
ワンダーリーデルも押さえ、先頭でゴールを駆け抜けた。
「手応えは抜群で、しっかりいい脚が使えたと思います。着差もわずかでしたし、外の馬とどちらが出ているのかわからないくらいでしたが、負けた感触はないな、というところでした」
進路を切り替えながらも、手を休めることなく追いつづけた川田はそう振り返った。
勝ちタイムは1分22秒3。過去10年の
根岸ステークスで3番目に速いタイムだった。
「今日はとてもいい内容で走ることができましたし、具合もとてもよく、ここから改めて次に向かうための準備をしていきたいです」と川田。
速い流れを追いかけすぎず、「次」を意識した競馬をしながら結果を出した
レッドルゼル。一躍、
フェブラリーステークスの主役に躍り出た。
(文:島田明宏)