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【佐賀記念回顧】圧倒的な強さで逃げ切ったクリンチャー(斎藤修)

  • 2021年02月12日(金) 18時00分
 メンバー中1頭だけ58kgを背負い、自分でペースをつくって3コーナー過ぎから後続との差を広げて2着に9馬身差。しかも地方の乾いた良馬場で36秒4という上りをマークしてのレコード勝ち。ほかにグレード勝ち馬がロードゴラッソと、全盛時ほどの能力は望めないグレイトパールだけというメンバーで、クリンチャーは圧倒的な力の違いを見せつけた。

 ダートに転向してから勝ちきれないレースが続いたが、昨年11月のみやこSでダート重賞初勝利。今回のレースぶりなら、むしろ時計のかかる地方のダートでこそという可能性はある。GI/JpnIレベルで勝ち負けまではどうかだが、地方の小回りコースがこなせただけに、2000m前後の路線で稼げる機会はかなりありそう。父ディープスカイの産駒は、ほかにキョウエイギア(ジャパンダートダービー)、サウンドスカイ(全日本2歳優駿)、タマノブリュネット(レディスプレリュード)、モルトベーネ(アンタレスS)などダートの活躍馬ばかり。むしろ芝重賞を勝ったのはクリンチャーだけ。母の父がブライアンズタイムなら血統的にもなおさらダートでこそ。すでに7歳だが、ダートなら脚元への負担も少なく、まだまだ活躍が期待できそうだ。

 外枠で好スタートを切ったアシャカトブが逃げるかに思えたが、意外に主張せず。ハナを取ったのは1番枠のクリンチャーだった。ダートに転向してからは初めての逃げだが、誰も行かないならということはあっただろうし、断然人気馬ゆえ、他馬からマークされて内に閉じ込められるのを嫌ったのだろう。川田騎手はそれだけ自信があったのかもしれない。

 2馬身ほど離れての2番手集団が、メイプルブラザーウインユニファイドアシャカトブで、やや離れたところから2周目の向正面中間過ぎで差を詰めてきたのが、ロードゴラッソハナズレジェンドという展開。

 そして9馬身離れての2着争いは、2番手集団3頭の中ではアシャカトブだけが残り、勝負どころで仕掛けてきたハナズレジェンドロードゴラッソとの接戦を制した。アシャカトブは圧倒的に強かった勝ち馬を追いかけたにもかかわらず、後半勝負に賭けた2頭を振り切ったというレースぶりは評価できる。中央でも地方でも、GIII/JpnIIIレベルならいずれ勝つチャンスは巡ってくるだろう。

 昨年7歳秋にダートに転向したハナズレジェンドは確かな末脚を見せた。メンバーと展開次第ではまだチャンスはありそうだが、地方のダートグレードとなると賞金的に出走機会を得られるかどうかが難しい。

 ロードゴラッソは、昨年名古屋大賞典を制したが、地方では好走までというレースが多く、脚の使いどころが難しい。

 ウインユニファイドは4コーナーで一杯。昨年7月のジュライSクリンチャーを負かしていたが、それ以来7カ月ぶりの休み明けに加え、9歳という年齢ではさすがに厳しかったか。

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