今年で46回目を迎えるカナダにおける代表的年度表彰の「2020年ソヴリン賞」で、競馬事業からの撤退を表明したサムソン・ファームに、特別賞が贈られることが明らかになった。
サムソン・ファームは、1960年代半ばにアーニー・
サミュエル氏が、馬術競技用の馬を育成するために
オンタリオ州のミルトンに開設した牧場が前身となる。サラブレッドの生産に着手したのは1972年で、以降、カナダのダービーにあたるクイーンズプレートを5勝、ウッドバイン
オークスを8勝するなど、数多くの名馬を送り出してきた。
2000年に
サミュエル氏が亡くなると、娘のタミーさんが牧場を継いだが、そのタミーさんが2008年に癌のため47歳で早世。その後は、タミーさんの夫であるリック・バラズ氏を中心にして営まれてきたが、昨年10月に競馬と馬産からの撤退を表明。今後12ヵ月から18ヵ月かけて、全ての所有馬を処分するとして、既に昨年のノヴェンバー・セールから売却がスタートしている。
ソヴリン賞を主催するジョッキークラブ・オブ・カナダは、サムソン・ファームがカナダの競馬界で果たしてきた長年の功績を讃えるためと、その授賞理由を説明している。
(文:合田直弘)