今年は
デアリングタクトと
グローリーヴェイズ、
キセキの前走
ジャパンカップ組参戦が目玉となりそうな
金鯱賞。結果3着とは言え三冠馬の名に恥じない走りを見せた
デアリングタクトと、2390m地点まで同馬より前にいた
グローリーヴェイズ、そして
ジャパンカップ史上最速とも言えるハイペースの大逃げでレースを引っ張った
キセキ。そこに
ポタジェや
ブラヴァスといった上昇馬も加わることで、展開面も含め、今年の
金鯱賞は見どころの多いレースに仕上がってきました。
しかしここで気に留めておかねばならないのは、
ジャパンカップ出走馬の次走期待値は押しなべて低いということです。それは半数以上のJC出走馬が次走に
有馬記念を使われる、つまりはメンバーのレベル的に仕方がないと思われる部分もあるのですが、それよりも注目すべきは、次走が
有馬記念ではなかったJC出走馬の次走成績です。
2001年以降の過去20年を調べた結果、延べ86戦 [7-7-8-64]、勝率8.1%の単勝回収率27%という数字が出てきました(次走
JRA競走のみ)。勝率8%はごく平均的な数字なのですが、単勝回収率の27%、これがとんでもない過剰人気だという証拠になっています。
それは
ジャパンカップを勝ち負けした、いわゆる「本当に強い馬」に限定しても変わるものではなく、下記の通りJC3着以内の馬に限っても11戦1勝、勝率9%の単勝回収率10%という成績。JC1着
ジェンティルドンナが次走で1番人気から6着に沈んだ2013年をはじめ、勝利例は
オルフェーヴルのGII・
大阪杯だけです。
適性や相手関係を無視して「だから
デアリングタクトを買うべきではない」と言うのは暴論なのかもしれませんが、オッズと比較して割に合うか合わないかの話なら、間違いなく合わないほうに分類されるのではないかと思います。
闇雲にデータだけを見るのではなく、まずは仮説を立てて、そこから裏付けとしてのデータ・リサーチ。
ウマい馬券では、ここから更に踏み込んで
金鯱賞を解析していきます。印ではなく『着眼点の提案』と『面倒な集計の代行』を職責と掲げる、岡村信将の最終結論に ぜひご注目ください。
(文/岡村信将)