距離が近いことから
ヴィクトリアマイルの前哨戦として位置づけられてはいるが、コーナーを4回まわるハンデ戦の1800mコースと、ワンターンのマイル戦ではレースの流れがまったく異なる。実際、過去10年間の
ヴィクトリアマイル優勝馬で、このレースを
ステップレースにして本番へ挑んだのは2頭。19年
ノームコア(7着→1着)、12年
ホエールキャプチャ(5着→1着)。いずれも馬券圏外からの巻き返しだったことからも、やはり関連性は高くはない。今年の場合でいえば、福島県沖を震源とする地震の影響により新潟競馬場のワンターン1800mで行われることになった
福島牝馬Sの方が関連性は高まりそうだ。
◎
サトノダムゼルの前走は飛ばす3頭を見るように離れた4番手でハナを切るような格好。早めにスパートして1度は先頭に並びかけようというシーンもあったが、最後は失速してしまった。結果からいえば、先行馬が総崩れの展開で追いかけすぎたか。体質の弱さからデビューが遅れたものの、無敗の3連勝で
秋華賞まで駒を進めた馬で芝1800mでは6戦4勝2着2回。中山競馬場も2戦1勝2着1回。昨年暮れの
ディセンバーSは休み明けでデビュー以来最高体重での出走となったが、それでも2着を確保。改めて期待したい。
○
ランブリングアレーは
愛知杯の2着馬。3歳時からそれなりの能力を垣間見せていた馬だが、1勝クラスから出直して再びオープン級まで這いあがってきた。
小倉記念は早めに先頭に立たされて失速したが、
カシオペアSではのちの重賞勝ち馬を寄せ付けず、前走も勝ちはできなかったが、中身のある競馬だった。
3勝クラスを勝ち上がったばかりの▲
ドナアトラエンテだが、デビュー以来、ほぼ一貫して1800mばかりを使われて9戦4勝2着4回。一度も馬券圏内から外れたことがない堅実派だ。410キロ台でデビューした馬だが、前走は468キロ。これまでにないスタートを切れたのも本格化を示すものではないか。今回はひとつの試金石だが、先々は牝馬重賞路線の主役になりえる馬だ。
連覇を狙う△
フェアリーポルカは4勝中3勝をこの距離で記録している重賞2勝馬。脚の使いどころが難しい馬で、勝ち切るためには展開の助けも欲しいところだが、前走の
小倉大賞典は牡馬を相手に健闘した。なかなか順調に使うことができなかった△
リリーバレロだが、それでも10戦して4勝2着2回。前走は重賞初挑戦で1番人気。スタートからペースの違いに戸惑ったようにも見え、やや不完全燃焼の1戦でもあった。
フラワーC優勝△
アブレイズ、まだまだ奥がありそうな△
シーズンズギフトともども無視はできない存在だ。