スマートフォン版へ

【毎日杯】シャフリヤール陣営が期待する兄・アルアイン超え/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2021年03月24日(水) 19時11分
 あれは4年前。アルアイン毎日杯を制した段階で、これは皐月賞の有力候補になると感じた。普通の馬なら潰れてしまう厳しい競馬を2番手からあっさり押し切った内容と、短距離で活躍した母ドバイマジェスティの影響が強いのか、ディープインパクト産駒ながら寸詰まりで胸前が広い体形に、中山2000メートルへの適性を感じたからだ。

 一方で、その馬体の特徴からダービー向きとは考えていなかった。池江調教師も東京2400メートルに向けて「これまでのような強気な競馬をしていたらのみ込まれてしまう。距離延長がポイントになるでしょう」と話していたほど。実際、アルアイン皐月賞を制しながらも、ダービーでは5着止まり。全競走成績を振り返っても1600〜2000メートルで5勝を挙げながら、それ以上の距離ではあと一歩で勝利に手が届かなかった。

 ゆえに、その全弟シャフリヤールも距離の壁と戦うことになると考えていた。しかし、初戦のパドックに現れた姿は兄のイメージとは異なるもので…。500キロを超える大型馬のアルアインとは対照的に、シャフリヤールは450キロ前後のシャープな馬体。胴が詰まり気味なのは同じでも、父ディープインパクトがより強く出ている印象を受けた。

 レースはラスト3ハロン11秒9-11秒6-11秒5の加速ラップをものともしない差し切りV。兄とは違う瞬発力という武器で、兄同様に大物感あふれる競馬を披露した。藤原英厩舎の番頭・田代助手が「兄とはまったく違うタイプだと思う」と話すのも納得だ。

 もちろん、「大きい舞台を目指せる」ポテンシャルの高さは一族共通。兄以上に距離の融通性を感じさせる馬体は「成長はこれから」と伸びシロを多分に残している。そんなバックグラウンドを考えれば“兄超え”の期待が高まるのも当然だろう。そのためにも、GIII毎日杯(27日=阪神芝外1800メートル)での賞金加算は至上命令となる。

「前走の共同通信杯(3着)は長距離輸送、左回りなど初物尽くしの中でも能力を見せてくれた。メンタルの強い馬だし、自在性もあるので、コース替わりは問題ない。徐々に中身もしっかりしてきたからね」

 陣営は「まだまだ上にいける素質を感じる」期待のスター候補生に熱視線を送りながら着々と素質に磨きをかけている。

 身軽なボディーにGI級のエンジンを搭載したシャフリヤール。ここを勝てば一躍クラシックの有力候補に躍り出るだけでなく、ダービーで兄の無念を晴らす可能性まで十分にあると記者は考えている。 

(西谷哲生)

東京スポーツ

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す