ス
プリント&マイル路線の女王
グランアレグリアが
大阪杯に矛先を向けたため、チャンスが出てきたとほくそ笑んでいる陣営も多いだろう。ただ、出走馬を見渡すと、メンバーが手薄になったという印象はない。新規参入してきた組が強力で、例年同様の格を維持している。
現在の中京競馬場で行われるようになってから今年でちょうど10回目。過去9回を振り返ると、GIレースにしては荒れている傾向が見られる。ザックリ言えば、馬場が良ければ平穏に、悪ければ波乱傾向となる。
たとえば、重馬場で行われた昨年は、1位入線の
クリノガウディーは15番人気だった。同馬は4着に降着となったが、繰り上がり優勝となった
モズスーパーフレアは9番人気だった。馬場が悪化すれば、道悪適性だけでなく、通ったコースや位置取りの有利不利など、あらかじめ見通すことが難しい
ファクターが着順に大きく影響する。この点はしっかり心に留めておきたいところ。
年齢別の成績を見ると、4歳馬と5歳馬が9回中8勝を挙げている。6歳以上の
ダノンスマッシュ、
インディチャンプ、
モズスーパーフレア、
ライトオンキューといった面々にとっては嫌なデータだ。ただし、6歳馬は「0勝、2着6回」という成績なので、馬連や3連複といった馬券では十分狙える。
父系を見ると、
サンデーサイレンス系の優勝は14年の
コパノリチャード(
父ダイワメジャー)しかない。同じく芝1200mのGI
スプリンターズSも、過去10年間でサンデー系優勝馬は2頭しかいないので、もともとこの路線はサンデー系に向いた条件ではない。
ただし、有力馬の一頭である
レシステンシアは、
コパノリチャードと同じ
ダイワメジャー産駒なのでギリギリセーフ。
ディープインパクト産駒も、1〜3番人気に推された馬であれば、勝てないまでもすべて馬券圏内に食い込んでいる。このあたりは安易に切り捨てないほうがいいだろう。
(文:栗山求)