日本最長距離重賞競走で4250mという距離の中で、高さ1.6mの「大竹柵」と幅2.4mの「大いけ垣」含む9つの障害を12回クリアしなければならないうえに、高低差が異なる3つのバンケットを計5回上り下りする難コース。優勝馬には障害馬として最高の栄誉が与えられるレースだ。暮れに行われる
中山大障害との比較では距離が150mほど長く、飛越する障害も1つ多いが、上り下りするバンケットコースは1つ少ない。いずれのコースも過酷であることに変わりないが、あえて表現に差をつければスタミナよりも、障害飛越のセンスが問われるコースだ。
8頭立てとはいえ7頭に
中山グランドジャンプ、もしくは
中山大障害に出走経験があり、そのうち6頭に3着以内経験がある充実メンバーとなった。
◎
メイショウダッサイは、昨年の
中山グランドジャンプの2着馬で、ほぼ同じコースで行わえる暮れの
中山大障害に勝って、
最優秀障害馬に選出された。ハードル界転向後、3戦目の初勝利から14戦連続して3着以内という堅実派。キャリアを重ねながら、飛越も上手になってきており安定感があり、現在は重賞3連勝中。それもス東京コース、
中山大障害コース、阪神コースと、求められるものが異なるコースを難なくクリアしている。安定感という意味ではすでに現役屈指の存在だが、障害馬としてはまだ伸びシロがありそうだ。
〇
オジュウチョウサンは
中山グランドジャンプ5連覇中。
中山大障害と合わせれば7つの
ビッグタイトルを手中にしてきた。
サナシオンを破ってハードル界の王者となったのが5年前。
アップトゥデイト、
ニホンピロバロン、そして
シングンマイケルと立ちはだかるラ
イバルたちを打ち砕いてきた。そんな絶対王者も昨年秋の
京都ジャンプSでまさかの飛越ミスによって3着。スタミナよりもスピードが求められるコースで、他馬よりも2キロ重い斤量を背負っていたとはいえ、らしくなかったのも事実だ。これまで
オジュウチョウサンとともに数々の名勝負を演出してきた石神騎手の手綱さばきにも注目したい。
3番手には▲
ケンホファヴァルトを指名。障害馬としてのキャリアは浅いものの真っ向勝負を挑んだ昨年暮れの
中山大障害は2着と健闘した。平地時代も含め、やや勝ち味には遅い傾向があったが、障害を飛ぶことでレースに集中できるようになった印象だ。
長い休養からの復帰戦は平地を選んだ△
マイネルプロンプトは、一昨年のグランドジャンプで
オジュウチョウサンに真っ向勝負を挑んだ。当時は跳ね返された格好だが、無欲で挑むだろう今回は違った結果を得られるかもしれない。