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【福島牝馬S】感謝の気持ちで挑む加藤=ミスニューヨーク 杉山晴調教師は人馬の成長に期待/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2021年04月23日(金) 18時00分
 昨秋のエリザベス女王杯ウイーク時の当コラムで杉山晴紀調教師が若手騎手を積極的に起用し、好成績を収めているのは彼の「人間力」によるものが大きいことについて触れた。

 その杉山晴厩舎で昨年3位となる4勝を挙げたのが加藤祥太騎手。デビューから手綱を取り続けていたミスニューヨークとのコンビが自身の騎乗停止期間だった秋華賞で途切れてしまい、鞍上は同様に杉山晴調教師の信頼が厚い長岡へと乗り替わりに。しかも16番人気の低評価ながら牝馬3冠を達成した僚馬デアリングタクトの5着に大健闘。人気薄での好騎乗となれば長岡とのコンビ継続も十分に考えられる。加藤は複雑な気持ちでテレビ観戦していたそうだ。

「頑張ってほしいなとは思っていたし、改めて力のある馬だと感じました。エリザベス女王杯に乗せてもらえるかどうかわからない中で(秋華賞の)翌週に先生から“次はよろしく”と声をかけてもらえた時は本当にうれしかった」

 加藤は杉山晴調教師の男気に感謝していたが、もちろん彼の真摯な姿勢、ひたむきな努力こそがコンビ再結成へとつながったのは言うまでもない。そのエリザベス女王杯は結果こそ10着と振るわなかったものの、リーディング上位騎手への乗り替わりが容赦なく行われるご時世。加藤=ミスニューヨークのコンビを応援したくなる気持ちが自然と湧いてくるというものだ。

 エリザベス女王杯後の2戦も加藤が引き続き騎乗。前々走の虹の松原Sは気持ち早めに動いたこともあってハナ差の2着に惜敗したが、前走のスピカSではクビ差が並ぶ大接戦の中、きっちりと勝利へと導いてみせた。

 そして迎えるGIII福島牝馬S(24日=新潟芝外1800メートル)。表面上はコンビ愛が継続したまま再び重賞の舞台へ戻ってきたようにも見えるが、実はオーナーサイドの意向もあって前走は田辺への乗り替わりが一度は決まっていた。それが田辺が1週前に落馬負傷して当週の騎乗をキャンセル。再び加藤に声がかかった中で前述通り結果を出したからこそ、今回の挑戦へとつながったのだ。

「前走は加藤騎手が馬の能力をしっかりと引き出してくれたよね。1週前追い切りの動きが抜群で状態はものすごくいい。立ち回りが上手な馬だから本当は福島での開催が良かったけど、昨年に強い相手と競馬をしたことで力もつけている。瞬発力勝負になりやすい新潟でも対応してくれると思うよ」と杉山晴調教師はここにきての“人馬”の成長を感じとっている。

 再び感謝の気持ちを持って挑む加藤=ミスニューヨーク。この福島牝馬Sで人馬ともに重賞初Vを決めて、今年の古馬牝馬路線を盛り上げる名コンビになってほしいものだ。

(栗東の遠吠え野郎・難波田忠雄)

東京スポーツ

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