「
青葉賞・G2」(1日、東京)
メンバー中、唯一の重賞ウイナーが意地を見せた。まさにデッドヒートとなったゴール前。3番人気の
ワンダフルタウンが、内から伸びる1番人気の
キングストンボーイを鼻差で退けた。
昨秋に京都2歳Sを制したものの、その後は不安を抱える爪の治療に専念。
皐月賞には間に合わなかった。「今年のクラシックは、この馬で」と期待する和田竜も、待つしかない日々が続いた。そんな相棒の復帰戦。「権利を獲らないと(賞金的にダービーには)出られないかも」という状況下でもあり、相当な思いで臨んだ。
好発を決めると、難なく絶好のポジションを確保。「枠も良くて、いいところにつけられた。流れてくれて競馬もしやすかったね」。抜群の手応えを残して迎えた最後の直線。伸び伸びと走れる位置にエスコートすると、ラスト200メートルで先頭へ。そのまま接戦をものにした。
「手応えほど伸びないのがパターンだったが、よく伸びてくれた。成長を感じたし、もっと良くなると思う」と、さらなる上積みを断言。そして、「勝って本番に出れるのが何より。
皐月賞組は強いけど、胸を張って挑戦状をたたきつけられますね」と言い切った。
「春先は難しいと思っていたけど、よくここまで…」と高橋忠師も感慨深げだ。左前脚を落鉄していながら、死力を尽くしての大きな勝利。「本番を楽しみにしてください」。主戦の言葉が頼もしく響いた。
提供:デイリースポーツ