ファッション雑誌や育児サイトでよく目にする“親子コーデ”。親と子でお揃いの洋服を着て楽しむものだ。3児の父である当方も気になるものではあるが、親子コーデよりも
ペアルック(死語?)という表現のほうがしっくりくる
アラフォー世代。気恥ずかしくてとても手を出せるシロモノではなく…。「あんなの自己満足だろ」と言い聞かせてあきらめている。
まあ、当方の親子コーデへの思いはどうでもいいだろう。“親子コーデ”で切り出したのは
NHKマイルCで気になる馬がいるから。
タイムトゥヘヴンとその
母キストゥヘヴンのことだ。母は
桜花賞(2006年)に臨むにあたって
シャドーロールを着用。その白い馬具効果もあって見事にGI制覇を果たしたのだが、息子も前走のニュージーランドTから母の
トレードマークでもあった白い
シャドーロールを使用している。
シャドーロールは前走時の調教段階から「集中力をつけさせたい」(斉藤助手)という狙いで装着開始。「稽古での感触が良く、動きも良くなっていたので実戦でも着けました。実際に2着したように、いい結果に結びついたから効果もあったのでしょう」(同助手)。母と同じ“親子コーデ”の馬具は大きな後押し材料となったようだ。
ニュージーランドTで勝ち馬
バスラットレオンには0秒9差。数字上は完敗だが「勝った馬が強かったのもあるけど、こちらは外々を回らされてのもの。この馬としても十分走っているし、内容は良かった」(同助手)と陣営にさほど悲観の色はない。中山マイルでは不利な外枠(8枠15番)。終始外を回るロスの多い競馬ながら、最後までしっかりと脚を使った走りは、地力の高さと
シャドーロールの効果、そして母譲りの長くいい脚、さらにマイル適性を証明するものだろう。
「初めてのマイルで新しい面が出てくれたし、ジョッキー(
M.デムーロ)も『(マイルは)競馬がしやすい』と言ってくれた。まだ成長途上とはいえ、左回りも問題ないし、ここでも通用する力はある」
母が実績を残したマイルの舞台で、母の潜在能力を引き出してくれた
シャドーロールによって進境を見せた
タイムトゥヘヴン。産駒初のGI出走となる孝行息子が、母と同じ鹿毛の馬体に白い
シャドーロールという“親子コーデ”でどんな走りを見せてくれるか注目している。
(美浦の子煩悩
ファイター・山口心平)
東京スポーツ