春の最強牝馬決定戦としてすっかり定着した
ヴィクトリアマイル、直線の長い東京芝1600mコースということで末脚自慢がそろうレースです。とくに前週の(同コースGI)
NHKマイルカップでは派手な追い込みが決まることも少なくはないだけに、その再現を狙う向きも少なくはないのでしょう。
しかし15年が経過して見えてきた
ヴィクトリアマイルの傾向は、意外なほどの前残り。"前走上がり最速、もしくは2位"で
ヴィクトリアマイルを勝てた馬は過去15年で2017年
アドマイヤリードの1頭だけであり、延べ61戦1勝というちょっと信じがたい数字にもなっています。
しかし上がり3ハロンのタイムが「速いから良くない」と言うのもおかしな話ですね。それだと
ヴィクトリアマイルを勝たせるために、直線はゆっくり走らせたほうが良いということにもなってしまいます。
そうではありません。速く走るのが良くないのではなく、つまりは後方で末脚に賭けるようなレース運びが良くないということです。そこで調べてみたのが「4コーナー10番手以下」での勝ち鞍を持っていた馬の、
ヴィクトリアマイルでの成績。やはりこれらの馬は人気を集める割に走れていませんでした。
比べてみると、過去4コーナー10番手以下での勝ち鞍ありは、延べ117戦[4- 4-8-101]で勝率3%、単回収17%、複回収55%。逆に勝ち鞍なしは、149戦[11-11-7-120]で勝率7%、単回収119%、複回収146%という結果(※
JRA競走のみ)になっていました。
今年は、この「4コーナー10番手以下での勝ち鞍」を持つグループに
デゼルや
グランアレグリアが入ってしまうという点を強調しておくべきでしょう。このデータこそが
ヴィクトリアマイルの予想に有効な"最初の一手"だと思うのですが、実はこれを発展させて"決め手の一撃"にまで昇華させる方法も考えています。それは天使のざわめきか、それとも悪魔のささやきか。
闇雲にデータだけを見るのではなく、まずは仮説を立てて、そこから裏付けとしてのデータ・リサーチ。
ウマい馬券では、ここからさらに踏み込んで
ヴィクトリアマイルを解析します。印ではなく『着眼点の提案』と『面倒な集計の代行』を職責と掲げる、岡村信将の最終結論にぜひご注目ください。
(文/岡村信将)