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【オークス】スライリーに重い印を打ちたくなった相沢調教師の「適性話」/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2021年05月21日(金) 18時00分
「予想合戦」でオークス(23日=東京芝2400メートル)の議論を交わした際、西谷記者が◎スライリーの秘めたる道悪適性を熱く語ったにもかかわらず、良馬場でしか走ったことがないうえに、相手関係も考慮すると、穴狙いが過ぎると一蹴してしまったのだが…。こうもぐずついた天気が続くと、無印にしてしまった自分の予想にも揺らぎが出始めた。

 ちなみにスライリーは昨年の「ザッツPOG」でユニオンオーナーズクラブを取材した際に、クラブスタッフの評価も高く、推奨馬の一頭として取り上げた経緯がある。しかも同クラブと相沢厩舎は昨年、スライリーと同じオルフェーヴル産駒のビターエンダープリンシパルSを制するなど、とにかく相性抜群となると…。天気同様のこのモヤモヤを晴らすにはもはや相沢調教師に直接、話を聞くしかない。そのうえで最終決断をしようではないか。

 スライリーの最終追い切りを見守る、その真剣なまなざしは声をかけるのもためらわれるほどの緊張感に包まれていたが、間を置いていつもの穏やかな表情に戻った相沢調教師を直撃した。

「先週にビッシリやったうえで、今週の動きも良かったな」とご機嫌の師。ただ、記者が最も聞きたいのは道悪適性だ。そこに話題を向けると「あんまり馬場がひどくなると良くはないかな。雨が降らなくても、馬場が荒れ過ぎるのはいいとは言えない」と。しかし、距離2400メートルの適性については「新馬のころに比べると今はだいぶ大人になってきた。折り合いの心配はなくなったし、血統的にも距離は大丈夫」。トーンが一気に上がってきた。

「メンバーが揃う6月東京の新馬戦を勝ったように能力の高さはずっと感じていた。前走(フローラS2着)にしても勝ちに行ってのもので、最後はモタれた分の差。改めて力があるのは分かったし、今年は混戦でそんなに差はないと思う。あんまり速い馬もいないので、前走のようにいいポジションにつけたいね」

 道悪うんぬんは別にして、勝負に関しては手応え十分の口ぶりではないか。さらには「オルフェーヴル産駒とか、ステイゴールドの系統とはとにかく相性がいいんだ」。

 確かに相沢調教師が管理した活躍馬は、スライリーと同様にフローラS2着からオークスでも3着と好戦したアイスフォーリスほか、マイネルミラノ(函館記念勝ち)、リープフラウミルヒ(福島牝馬S2着)などステイゴールド産駒が多く、ステイゴールド直子からもゴールドシップ産駒のブラックホール札幌2歳Sを制するなど、相性の良さは変わらず続いている。

 東京競馬場は土曜までぐずついた予報だが、レース当日の日曜は今のところ回復模様。相沢調教師が懸念するひどい馬場にはならなそう。西谷記者の見解も加味すれば、スライリーにとって能力を最大限発揮できる極端に時計の速くならない、程よく時計のかかる良馬場で臨める可能性が高い。ならば能力を開花させつつあるスライリーが師に1999年ウメノファイバー以来のオークス制覇をもたらしても…。

 西谷記者には失礼なことを言ってしまったが、いまさらながら無印から一転、重い印を打とうと決意した次第だ。

(美浦の追跡野郎・松井中央)

東京スポーツ

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