5月30日(日)に東京競馬場で行われる
日本ダービー(GI)に出走予定の
シャフリヤール(牡3、栗東・
藤原英昭厩舎)について、追い切り後の
藤原英昭調教師のコメントは以下の通り。
「(
毎日杯は)東京で権利を獲りたいと思って出走したんですが、それが叶わなくて急遽大きなレースに出たい、権利を獲りたいということで出走したんですが、うまく頑張って川田ジョッキーも役割を果たしてくれて、ホッとしていました。競馬も(ペースが)流れて1000メートル通過が57秒台でしたからね。そういう意味では速いな、と思いながら見ていてレコードが出たんですが、後が心配になりました。
その後は1週間くらい厩舎に置いてチェックしたんですが、異常はない、ということで後は
皐月賞を目指すか、ダービー直行にするか、ということはオーナーサイドと相談して、馬の状態を見てという段階を踏んでいました。レコードでしっかり走っていますから、反動という意味では2〜3日ではなく、1週間以上脚元、馬体、歩様をチェックして、それをクリアしたのでオーナーと相談して、身体もそれほど大きくない馬ですからね。ダービー直行で行こう、と意見が一致したので、そのローテで進めました。
競馬から2か月あったので、
皐月賞を挟まないのはその利点があるということで、馬も成長できましたし
リラックスもできましたので、調整はしやすかったです。
1週前は負荷をかけたかったので、併せ馬である程度走る馬を用意して、終いをしっかり追ってくれ、ということで、ジョッキーも良い感触でしたし、こちらから見ても良い追い切りでした。
いつもレース前は坂路で調整していますが、(今日は)それを崩さずに、ということで良い動きでしたよ。
3歳のこの時期ですから、馬が健康体でいる、というのは人間が頑張ったところで、生き物は難しさがあるんですが、それを考えると今回の
シャフリヤールは順調、そしてあまり手がかからない、というのは大きなアドバンテージになるんじゃないかと思います。
すごく操縦性の良い馬ですし、血統背景もしっかりありますし、心配はしていません。東京を1回経験させたのは、このレースに向けては大きいと思います。
自分の競馬をするのが鉄則ですけれども、1強に近い
エフフォーリアが
皐月賞でもあのパフォーマンスをして、我々も戦っていますからね。その強さは十分知っています。その辺りはしっかりマークして、どの陣営もそうだと思いますが、あの馬よりも前に来たら優勝が近づく、というのは誰もが分かっていますから、枠の並びもあるでしょうけど、(
エフフォーリアを)見ながらというレースになると思います。
(枠順は)真ん中くらいがポジションとか馬のストレスを考えるとやりやすいと思います。各陣営は作戦があると思いますが、流れに対する操縦性は融通が利く馬で、福永騎手とも手が合っているので、その辺りは心配していません。自在性があるのは強みだと思っています。
全てのホースマン、関係者がそこ(ダービー)を目指していますから、高いお金を出して馬を購入される方もいるんですからね。その辺りは競馬界にとって頂点だと思って、常にそこを目指して頑張ってやっています。出走は毎年毎年叶わないんですけれども、今回は人気を背負って出走できるのはすごく励みになりますし、やりがいがある、日本一のレースだと思っています。
皐月賞は回避しましたが、ダービーにしっかり出られるというのは馬のおかげであるし、応援してくださるファンの皆さんのおかげでもあると思います。馬は順調なので、すごく期待を持って出走させられると思います。応援よろしくお願いします」
(取材:山本直)
ラジオNIKKEI