第10レースの出走馬が馬場入りするとき急に雨が降ってきた。一時的に雨足が強くなったものの10分も経たずに雨は上がり、第11レースの
日本ダービーは、青空の下、良馬場のコンディションで行われた。
横山武史が騎乗する1番人気の
エフフォーリアはゲートから出して行った。絶好位の3、4番手を取ることはできたが、出して行ったぶん、やや行きたがっている。
福永祐一の
シャフリヤールは、
エフフォーリアより1馬身ほど後ろの外につけた。
ゆったりとした流れになり、3、4コーナーでも馬群は密集し、あまり密度を下げないまま横にひろがり、直線へ。
紅一点の
サトノレイナスが先頭をうかがう。
3、4コーナーで自然と後ろに下がる形になっていた
エフフォーリアも、直線入口ですぐに前が開き、末脚を伸ばした。
ラスト400m付近では、外の
サトノレイナスと、馬場の真ん中から伸びる
エフフォーリアの一騎討ちになるかに見えた。
ラスト300m付近で
エフフォーリアが先頭に躍り出た。そのまま後ろを突き放しにかかる。
その3、4馬身後ろの馬ごみにいた
シャフリヤールも、ようやく進路を確保してスパートをかける。
「ラスト300mぐらいで解放してからの伸びは素晴らしかった。
エフフォーリアと
サトノレイナスが抜けていたのでつかまえるのは難しいかなと思いました。前が止まったわけでもないのに、素晴らしい瞬発力を発揮してくれました」
そう話した福永は内に進路を切り替え、ラスト100mを切ったところで先頭の
エフフォーリアに並びかけた。
外の
エフフォーリアと内の
シャフリヤールが激しく叩き合い、鼻面を揃えてゴールを駆け抜けた。
ハナ差で、
シャフリヤールが勝っていた。
「紙一重でした。馬に助けられましたね」
そう話した福永は、昨年の
コントレイルにつづいてダービーを連覇。この4年でダービーを3勝と、勝ち方を知っている名手が結果を出した。
(文:島田明宏)