スマートフォン版へ

【安田記念】チークピーシーズ効果で勢い取り戻した素質馬ギベオンが得意舞台で激走/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2021年06月02日(水) 19時30分
 馬の視覚に作用する馬具。代表的なものにチークピーシーズとブリンカーがある。どちらも後方の視界をカットすることで、前に意識を持っていく=集中力を高める効果が期待される。が、この2つは似て非なるものなのだそうだ。

 馬具屋さんに違いを聞くと「目に近いところに装着する分、ブリンカーのほうが効果は大きいと思います。一方、チークは後ろにある分、視野を広く取れる。もちろん、どちらが正解というわけではなく、馬の性格や特徴によって使い分けていくことになります」。

 そもそも、馬は人と見えている世界がまったく違う。「今」という瞬間が人には継ぎ目のない映像として見えているが、研究によると馬の目にはストップモーションのように映っているという。もちろん、馬により馬具への反応も様々。厩舎関係者は「ブリンカーを着けたら見えなさ過ぎて、肝心なところで後ろを気にしてしまった」とか、「チークピーシーズだと見え過ぎて、行きっぷりが良くなり過ぎた」といった失敗を繰り返しながら正解を見つけていくことになる。

 大阪杯勝ち当時のアルアインのブリンカーには菱形の穴(鞍上のアクションを見えるようにするため)が開いていたというのは有名な話だし、自分で(競馬を)やめるようなところが出てきていたスワーヴリチャードはチークピーシーズを着用してジャパンCを制した。馬具ひとつ取っても、馬に試行錯誤の歴史ありなのである。

 そんなわけで、今週の第71回安田記念(6日=東京芝1600メートル)はギベオンに注目している。同馬は3走前の白富士S(5着)からチークピーシーズを着用。「59キロを背負いながら、よく最後まで集中して走れていた」と田代助手が振り返る。復活の兆しを見せると、続く金鯱賞では3冠牝馬デアリングタクトを破る大金星。実に2018年暮れの中日新聞杯以来となる勝利を挙げてみせた。

「チークを着けてから馬が集中して走れるようになっている。前走(マイラーズC7着)は久々のマイルで全体的な流れも速かったが、それでもバタッと止まってはいなかった。続けてのマイルで今度は相性のいい東京コース。もともとの能力を考えても楽しみはある」

 馬具の効果で勢いを取り戻した素質馬ギベオンが、NHKマイルCで2着した得意舞台で激走――。シャフリヤール日本ダービーを制した、今が旬の藤原英厩舎だけに何かやってくれそうな期待感はある。

(栗東の馼王野郎・西谷哲生)

東京スポーツ

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す