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【宝塚記念】“令和のステイゴールド”カレンブーケドールが新たな味付けで大輪の花咲かす!/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2021年06月24日(木) 18時00分
 恥ずかしながら明かせば、善戦ホースは底力に欠ける、とビギナーのころから長らく思い込んできた。この認識を変えたのは、今から20年前の競走馬ステイゴールドである。4歳時に天皇賞・春宝塚記念天皇賞・秋とGIで2着3回の好走も、3勝目を挙げて以降は実に28連敗。名脇役こそが立ち位置たる思いを強く抱くに至ったが、その認識を変えたのが3歳時のゴールデンホイップT以来改めてコンビを組んだ武豊だった。6歳の目黒記念で待望の重賞初制覇を遂げると、現役ラストの7歳時にドバイシーマクラシック(当時G2)、香港ヴァーズと国際級G1を堂々2勝。底力を欠くのではなく、馬が勝ち方を知らなかった。そしてそれをレクチャーしたのが名手であることを思い知らされたのである。

 さて、こんな古い思い出を記したのは理由がある。今週の宝塚記念(27日=阪神芝内2200メートル)に出走するカレンブーケドールは、2着3回を含めてこれまでGI6戦でオール掲示板確保。にもかかわらず3歳春のスイートピーS以降は10連敗中と、まさに“令和のステイゴールド”状態にある。ゆえに陣営も長らく組んだ津村明秀とのコンビを解消。その後は池添謙一松山弘平戸崎圭太と鞍上を替えて勝利へのピースを探ってきた。だが勝てない…。やはり勝つための何かが決定的に欠けているのか。こんな問いに答えたのが、担当の中村雄貴助手である。

「詰めが甘いと言われればそうかもしれません。ただ、緩いペースで後方待機、控えてほしい流れで先行するなど、競馬がかみ合っていないことも多々あるんです。ハミをかみ通しだった有馬記念(5着)ほどではないにせよ、前走の天皇賞・春(3着)も抜けるところがなかった。要は馬が真面目なんですよね。ただ崩れていないのは地力があればこそと思うし、今回は気持ちが入り過ぎないことを意識して調整してきました。歯車がかみ合えば…ですよね」

 根幹距離でない舞台が影響しているのか、宝塚記念はここがGI初勝利という馬が過去に何頭もいる。近20年では01年メイショウドトウ、02年ダンツフレーム、08年エイシンデピュティ、11年アーネストリー、18年ミッキーロケット…。いずれも善戦マンの域を出なかった馬たちだ。

「毛ヅヤもいいし、体調は前走よりさらに良くなっていると感じます。前走も道中リラックスして走れたわけではないので。内回りの二二はプラスと捉えていますし、どこかでタイトルを取らせたいですね」

 こう語った戸崎圭も今回は連続騎乗(通算3度目)。問われる適性が過去の舞台と違うなら…。“令和のステゴ”たるべく、鞍上の新たな味付けで大輪を咲かせるシーンもあっていいだろう。

(美浦のグッバイ野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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