1978年に、
中央競馬における「
天皇賞・春」をイメージさせるレースとして、
大井競馬場2800mを舞台に4月下旬に行われていたレース。1986年、
中央競馬の馬も参戦できるようになったのをきっかけに2000mへと短縮され、1996年からは6月に移設。上半期のダート競馬を締めくくるチャンピオン決定戦としての歴史を積み重ねている。
中央競馬の馬が参戦できるようになった1986年から昨年の2020年までの34年間で、
中央競馬所属馬22勝(同着優勝が1度)、
地方競馬所属馬14勝となっているが、
地方競馬所属馬の優勝は2010年
フリオーソが最後。以来、昨年までの10年間で中央勢は10勝2着10回3着8回と圧倒している。
19年の勝ち馬で昨年2着◎
オメガパフュームは
東京大賞典3連覇ほか、
ジャパンダートダービー2着。どうやら左回りは得意としないようだが、右回りの、とくに
大井競馬場の2000m戦は7戦して4勝2着3回と得意にしている。武器は強烈な末脚。ダートを主戦場とする牡馬としてはむしろ小柄の部類だが、59キロを背負った
平安Sを楽勝するなど筋力に優れた中距離馬だ。逃げ・先行馬が多く顔を揃えた1戦でこの馬の末脚が最も怖い。
迎え撃つ
地方競馬の期待を担うのは○
カジノフォンテンだ。昨年の
東京大賞典、今年の
川崎記念はともに前半1000mが64秒台というスローペースだったが、前走
かしわ記念は前半の半マイルが48.4秒で5ハロン通過60.4秒という厳しい流れを押し切る強い内容だった。逃げなくても競馬ができる馬だが、瞬発力で勝負するタイプではないのでどこかでは先頭に立ちたいところ。レースを作れる強みを生かしたいところだ。ただし、極端に脚抜きが良い馬場になった場合には割引が必要かもしれない。
オメガパフュームと同期の▲
チュウワウィザードは昨年の
JRA賞最優秀ダートホース。遠征した
ドバイワールドカップは2着。敗れたとはいえ世界最高峰のダート競馬で示した能力は超が付くA級だ。一昨年、昨年の
帝王賞、そして昨秋の
JBCクラシックと常に1つ前の着順には
オメガパフュームがいた。どちらかといえば左回りの方を得意としているようだが、世界の強豪と五分に渡り合った能力は魅力だ。
上位3頭と差がないと思われるのは△
テーオーケインズは
アンタレスS優勝の4歳馬。重賞初挑戦となった昨年暮れの
東京大賞典は6着だったが、勝った
オメガパフュームからは0.2秒差で、3着
ウェスタールンドからはハナ+クビ+ハナ差だった。今年に入ってからはオープン特別、そして重賞と2連勝中。とくに前走の
アンタレスSでは
東京大賞典で先着を許した
ヒストリーメイカーを完璧に封じ込めており、充実ぶりがうかがえる。
頂上決定戦だけに、大波乱というのは考えにくいが良馬場なら
クリンチャー、重以上になれば
オーヴェルニュの名前を挙げておきたい。