2016年
マカヒキ、18年
ワグネリアンのダービー馬2頭を筆頭に、毎年のようにクラシック戦線をにぎわす栗東の名門・友道厩舎は、現3歳世代も3頭がクラシックに出走。残念ながら春の時点では19年
菊花賞を制した
ワールドプレミア以来のクラシックホース誕生とはならなかったが、その陣容のクオリティーの高さは相変わらず。まさに名門の面目躍如といったところか。
現2歳世代はすでに3頭がデビュー。そのうちの1頭
フィデル(牡=
父ハーツクライ、
母ラッキートゥビーミー)は7月4日の小倉芝1800メートル新馬戦を勝ち上がり、来春のクラシックに向けて順調な滑り出しを見せた。そんな名門が送り出す素質馬たちの中でも、個人的に特に注目しているのが、今春の
皐月賞、ダービーに出走した
ヨーホーレイクの半弟にあたる
ダンテスヴュー(
父キングカメハメハ、
母クロウキャニオン)。日曜(15日)新潟芝外1800メートルでいよいよ待望のデビュー戦を迎える。
クロウキャニオン産駒はこれまで12頭がデビュー。重賞勝ち馬2頭(
ボレアス、
カミノタサハラ)を含め、そのすべてが勝ち上がっている。そして実に11年連続で
ディープインパクトとの配合が続いた中で、この
ダンテスヴューの父は
キングカメハメハ。これは初子の
キラウエア(現役時5勝)以来となる配合なのだが…。前出の
ヨーホーレイクよりも、この
ダンテスヴューのほうが“ディープっぽい”という声が出ているのが何とも面白いではないか。友道調教師も「コンパクトな体だけでなく、走りそのものも軽くて、こっちのほうがディープ産駒みたいだね」と口にしているくらいだ。
ここまで順調に乗り込みを重ね、ピッチも上がってきた。5日には福永を背に同厩の2歳馬2頭とのウッド3頭併せを敢行。切れ味十分の走りで最先着を果たし、素質の一端を見せつけた。これがファーストコンタクトとなった福永が「まだ幼いところはあるけど、いいバネをしている。2000メートル以上の差し馬といった感じかな。初戦からやれるだけの準備も整っているね」と好感触を伝えれば、大江助手も「いい動きでしたし、素質の高さを感じますね。背中の使い方から芝に行って良さそうなので、この条件も合いそう。追うごとに前向きさが出て、走れる態勢にあります」と手応え十分だ。
繁殖牝馬として確実に実績を積み上げてきた
クロウキャニオンだが、実はまだGI馬は出していない。この
ダンテスヴューが最初のGI馬となるのか、まずはその初戦の走りに注目だ。
(鈴木邦宏)
東京スポーツ