真夏のマイル決戦、
関屋記念。新潟競馬場外回りの直線は約659m。向正面の直線距離も550mほどあり、都合1200m、75%以上が直線で構成されるコース。そのせいか毎年のように速い時計での決着が続いており、それに対応できる頑強さが求められるレースとなっています。
“頑強なスピード”と言えばGI・
安田記念にも通ずるものがあり、同年の
安田記念を使われた馬の好走が目立つレースとも言えるでしょう。このパターンの勝ち馬を挙げるだけでも、2012年
ドナウブルー、2014年の
クラレント、2015年の
レッドアリオンなどざっと7頭。コース改修の2001年以降、延べ出走頭数29頭で[7-2-3-17]、勝率24%、単勝回収率287%の好成績となっているのです。
しかしもっと単純に、
安田記念に出走した馬が良いのではなく、
安田記念に出走できるぐらいの実績を持つ馬が良いと考えた場合どうでしょう。
関屋記念の勝ち馬を、該当年の
関屋記念以前に1600m以上の重賞(
JRA開催、以下省略)を勝っていた馬と、1600m以上の重賞勝ちがなかった馬で分けてみました。
すると2011年
レインボーペガサスから昨年の
サトノアーサーまで、100%重賞勝ち経験ありとなったことをはじめ、2001年以降、1600m以上重賞勝ち馬は延べ107戦17勝、勝率16%の単勝回収率147%。それに対して1600m以上重賞未勝利馬は延べ209戦3勝、勝率1%の単勝回収率35%。これほどの差が見えているなら、今年もこの重賞勝ち経験組を重視していくべきではないかと思います。
ちなみに今年の
関屋記念・特別登録馬で、1600m以上の重賞勝ち鞍を持つ馬は
アンドラステ、
カラテ、
サトノアーサー、
パクスアメリカーナと
マイスタイルの5頭だけ。
NHKマイルカップ2着の
ソングラインは重賞勝ちなくここから漏れてしまいました。
ウマい馬券では、ここからさらに踏み込んで
関屋記念を解析します。印ではなく『着眼点の提案』と『面倒な集計の代行』を職責と掲げる、岡村信将の最終結論にぜひご注目ください。
(文/岡村信将)