「
関屋記念・G3」(15日、新潟)
鮮やかに抜け出した4番人気の
ロータスランドが、3度目の挑戦で初タイトルをゲット。サマーマイルシリーズ制覇へ大きく前進した。管理する
辻野泰之調教師(39)=栗東=は、のべ9頭目の挑戦でJRA重賞初制覇。田辺は20年9月の紫苑S以来、21年初の重賞Vで9年連続のJRA重賞勝利となった。2着に6番人気の
カラテが入り、圧倒的な1番人気に支持された
ソングラインは3着に敗れた。
内ラチ沿いから実力馬たちを完封。4歳牝馬
ロータスランドが、まばゆい輝きを放った。初コンビを組んだ田辺も見事なエスコート。抜群のスタートを切ったが、外から
マイスタイルがハナを主張するとスッと控えて2番手で脚を温存。直線に入るとあいたインに潜り込み、残り200メートル手前で逃げ馬をかわして先頭に立つ。あとは右ステッキで鼓舞しながらゴールまで導いた。
「1頭になるとフワフワすると聞いていたので気は抜けなかったけど、十分に余力があったし頑張ってくれないかなと思っていた」と鞍上。意外にもこれが今年初の重賞タイトル。「この馬にお礼を言いたいね。まだ全力で走り切っていないところがあるので、もっと相手が強くなっても頑張ってくれると思う」と笑顔を見せた。
3月に開業した辻野師も待望の重賞初制覇。2月に勇退した角居師のもとで調教助手として薫陶を受けた。その師匠からバトンを受け継いだ素質馬は、爪の不安で出世が遅れていたが、3月から3連勝を決めて才能がようやく開花。前走の
中京記念5着を
ステップに、見事重賞ウイナーへと育て上げた。
「理想的な競馬でしたね。(師匠に)いい報告ができます」と喜びがあふれる。これでサマーマイルシリーズの単独首位に立ったが、「それは意識していなかった。何とかこの子に勲章を、と思っていましたから」と語った。これでいったん夏休み。さらに成長した姿で秋の大舞台に臨む。
提供:デイリースポーツ