広い新潟競馬場の外回りワンターンコースで行われる、世代最初のマイル重賞。最後に長い直線コースが待ち受けるだけに一瞬の脚というよりも、ロングスパートが決まりやすい。また、タフなコース設定だけに完成度も重要な
ファクターとなるレースだ。
過去10年、いずれも4番人気以内の馬が優勝しており1〜3番人気は9勝2着5回3着3回で、1番人気馬は4勝2着3回。キャリア1戦で挑んだ馬が7勝で、3戦以上馬は連対なし。また、過去10年の優勝馬はすべて左回りの競馬場を経験している馬だったことが特徴的だ。距離経験とともに重要視したい。
◎
セリフォスは中京競馬場芝1600m戦で勝ち上がってきた。テンの2ハロンは25.0秒で半マイル通過48.9秒というスローペースで、やや行きたがってはいたが、何とか折り合いをつけると最後の直線は11.3秒〜11.5秒。直線に向いてすぐの場所に設けられている高低差2mの坂を8ハロン中最速ラップで駆け抜けた。
デビュー戦で初勝利を挙げたあとは短期放牧を挟んで、このレースを目標にしてきたようだが、強いメンバーが顔を合わせてラップが緩まないであろう今回のほうが競馬をしやすい印象を受ける。
〇
クレイドルは、東京競馬場牝馬限定の芝1600m戦優勝馬。テンの2ハロンが24.0秒で半マイル通過は48.3秒。ペースが落ち着いてもしっかりと折り合い、4角手前では前を射程圏内にとらえると、最後は勝負強さを見せるかのように4頭一団の中、11.3秒〜11.8秒でフィニッシュしている。切れる脚はないが、良い脚を長く使える印象でレースセンスが光る1戦でもあった。
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アライバルは東京競馬場芝1600m戦の勝ち馬。意識的とも見えるようなゆっくり目のスタートから2ハロン24.3秒、半マイル50.0秒のゆったりペースの中、折り合いをつけて追走。最後は11.3秒〜11.4秒というレースラップにもかかわらず、ゴール前200m付近からは1頭だけ違う脚色であっさりと突き抜け、最後は流す余裕まで見せた。マイル戦がベストかどうかは迷うところだが、豊かな将来性を感じさせる1戦でもあった。
デビュー戦でマイラーとしての資質の高さ、完成度の高さを感じさせた△
オタルエバー、豪快な末脚が印象的な△
クラウンドマジックと、2戦のキャリアの中で高いレースセンスを見せつけた△
スタニングローズまで押さえておきたい。