「
神戸新聞杯・G2」(26日、中京)
2番人気の
ステラヴェローチェが不良馬場を味方に持ち前のパワーを発揮し、20年のサウジアラビアRC以来となる2つ目の重賞タイトルを手にした。2着に5番人気の
レッドジェネシス、3着には8番人気の
モンテディオが入り、1番人気のダービー馬
シャフリヤールは、直線で伸び切れず4着に敗れた。
一つ借りを返した。
皐月賞&ダービーでともに3着に泣いた
ステラヴェローチェが、春の悔しさをバネに大幅な成長の跡を示した。
朝から降り続く雨が止まらない。9R終了後に芝は重→不良へと発表が変更。こうなると、タフな馬場にめっぽう強い
バゴ産駒の出番。ひと夏越して、馬体も18キロ増。パワーを遺憾なく発揮した。
スタート直後は頭を上げてスピードに乗り切れず、後方2番手を追走。道中は折り合いに専念し、直線勝負にかけた。ラスト1Fは横一線の根性比べ。外でもがくダービー馬を横目に、馬群の真ん中を突くと、ギアがもう一段上がった。メンバー最速の上がり3F35秒6の末脚がさく裂。ゴール寸前で、先に抜け出した
レッドジェネシスをきっちりととらえてゴールを貫いた。
引き揚げてきた吉田隼は全身泥まみれ。額の汗を拭って「こういう馬場だったので最後はバテバテになりましたが、よくかわしてくれました」と愛馬の健闘をねぎらった。4カ月ぶりの実戦に「まだ全体的に緩さは残っていますが、体つきがゴツくなった」と成長を感じつつも、手放しでは喜ばない。「ゲートで子どもっぽい面を出したり、勉強するところはある」と、大舞台を見据えて精神面の成長を課題に挙げた。
見守った須貝師も「勝つには勝ったけど、勉強するところも多々見つかった」と鞍上に同意。それでも、春に涙をのんだ2冠を思い返して「ここで挽回できた」と最後の1冠・
菊花賞(10月24日・阪神)へ向けての確かな手応えをつかんだ。
白毛のアイドル・
ソダシと秋のG1へ挑む須貝師&吉田隼の名コンビが、見事にダービー馬を撃破。主戦は「無事に前哨戦を勝ってくれた。次はどんな馬が相手でもやってやる、という気持ちで挑みたい」と語気を強め、高らかと菊獲りへ名乗りを上げた。
提供:デイリースポーツ